どうも俺はショウウの父親となった気分だ。
カップルと言うより親子の様な感じだ。
かなり修行は厳しかった様で、今月の頭に勤務先を辞めた。
勉強をして来月から別の店に移るのだが、研修から合わせ約２ヶ月良く頑張ったとは思う。
週の半分を都内で仕事をしてる。ショウウとのマンションに帰ると「お帰り！」と待っていた。
俺「えっ？」
ショウウ「今日で辞めた。」
晴れ晴れした表情を見せながらも何処か辛そう。
先輩からの虐めにもしばらく耐えてたが、ついにショウウは辞める事を伝えた。
そっと寄り添うともたれかかりってきた。
ショウウ「何してたんだろうね。何か変だよ。」
ショウウは震えてた。
そっと抱きしめてやるとショウウは俺の胸で泣いた。
辞める時に、先輩からかなりの罵声もあった様だ。もともと最初から先輩に「イケメンは嫌いだ！」と言われてた。
ショウウは目立つ子だ。綺麗な顔立ちをしてる。イケメンだからと先輩からまた虐めがあった。
見た目だけで大したこと無いやつとも言われた様だ。
この２ヶ月、俺はショウウの頑張りを見てきただけに、何も言わず抱きしめてやった。
２〜３日はショウウらしくない状況だったが、次第に本人らしい姿を取り戻した。
ショウウ「ずっと側に居て」
ショウウの側に居てやっただけだが、元気を取り戻してくれた。
何かと親代わり的な事が多い。
新たな勉強をする為に助け船を出してもやらないといけない。
出費も少なく無い。
親でも無いやつが親代わりをするのだ。某サイトでボーイの事を様々に書かれてる。一目の不安があると言えばある。しかし子犬の様なショウウを見てると手助けしてやらなければと言う気持ちになる。
ノンケのショウウだ。ゲイとは違いイチャイチャも違う。
俺もバイに近い。ゲイの様な付き合いも嫌いでは無いが、ネチネチした付き合いは嫌いだ。
周囲に対して過剰に反応する。色んなボーイと遊び、飯を食ったりもして仲良くなったが、ゲイボーイはやたらと周囲を気にしてた。ノンケが普通に戯れてる事でも、変に思われるからと過剰に周囲を意識してた。
しかしショウウは違う。大丈夫かと心配するくらいに近くに居る。しばらく行けてなかった買い物に行く。
「良いですね、親子でいつも行かれるのですか？」店員から言われた。男性店員は親子、女性店員からは年の離れた兄弟と見られる。ショウウの事を考え、俺は遠慮するのだがショウウは一緒にと必ず言う。
久しぶりに旅行へ行った。
旅先の土産物店で選んでると、店員が「芸能人？モデルさん？」とショウウを見て言う。
ショップ巡りをしててもちょくちょく言われてた。
そんなショウウだ、俺の様なオッサンと一緒に居て大丈夫かと思うのだが、ショウウは必ず俺と行動を共にしたがる。
ショウウの年齢の頃、イケメンではなかったがモデルみたいと良く言われてた俺だが、体型すら変わって無いがオッサンとなった俺だ。観光地ではマネージャーの様に思われてるのか？
しかしショウウはお構い無し。
常に一緒に行動をする。
１つを分け合うのもしょっちゅう。
この前の事、ショウウが車が欲しいと言った。もともと車好きなショウウだ。
纏まった金がある訳でも無い。
甘い父親？ショウウの為にと助け船を出した。
しかしまだ信用される年齢では無い。
ショウウ「相手に電話出来る？お父さんって言った。」
そういきなり電話があった。
ネットで出してた売主に電話をした。追加金は振り込む事となり、その場で車はショウウに渡された。
まだ二十歳、先走った行動が目立つ。先にしておかないとならない事が後回しになる。
両親は離婚してる、俺は別れた妻が連れて出た子供として、ショウウの父親となって商談した。
信用性の大切さをショウウは理解した。
ショウウ「親以上に親だ！」
ショウウは俺に抱きついて来た。両親の離婚、子育て放棄で育ったショウウ、見兼ねて取った俺の行動がショウウの心を更に動かした様だ。
ショウウ「早く楽させて上げたい！。」
そう言って来た。
俺「今は先ず勉強だろ！一生懸命勉強しろ！」
ショウウ「うん、頑張る。」
そしてショウウ「一緒に乗り潰そうね、一緒に思い出いっぱい作ろうね。」
万勉の笑顔でショウウは言った。