俺は失礼な事をしてた。
マッサージの店の新しい写真撮影をしたりして、欲しい物があるしちょこちょこ週１くらいでやってみよう何て考えてた。
全て甘く見てたんだよな！貴士さんが全部準備してくれたのに身勝手だよな。
就職前から店で研修が始まった。夜は時間あるけど、日中は様々な研修があってヘトヘト。
マッサージ何て出来ない。店からいつ出て来るかとか、問い合わせがあったから出て来いとか、辞めるって言って無かったから、マネがギャァギャァ言って来た。貴士さんからも絶対に二足のわらじは無理と言われてたが、言う通りだと思った。でもさ、いつ捨てられても良いようにしとかなきゃ、俺は親や親族にまで捨てられたんだし。
それでズルズルとハッキリさせないで居た。
貴士さん、俺だけをずっとリピしてたから、店に電話して「いつ出てくるんですか？出て来ないなら他のボーイ考えるからハッキリさせてくれ」って俺の目の前で電話した。
即、マネから「試験終わったならスケジュール出せ」ってメールが来た。
「すみません、もう辞めます。」って返信した。
俺がズルズルしてたのも悪いが店も店で辞めるって言ったのに削除しない。
貴士さん「今度はいつ出てくる？」って店にメールした。
「試験は終わってるはずですが、スケジュールを出さないのでクビにします。」って返信が来た。
ふざけんなって！辞めるって連絡したのに、お客さんにはクビにか？
「出てくるかもと期待してました。出て来ないなら直ぐに削除して下さい。他のボーイを考えます」って貴士さんメールした。
そしたらようやく翌日削除されてた。
「タクミ、僕はな、二度とあんな世界に戻らない事を願ってる。出会いをくれたのは感謝してるが、タクミにはもう脱ぐ様な仕事はしないで欲しい。」と言ってくれた。
ずっと貴士さんが支えてくれた。ずっと見てくれてる。部屋に帰れば貴士さんが居てくれると嬉しくなった。毎日じゃないけど、貴士さんが居てくれる日が嬉しかった。店が終わり片付けして帰ると深夜になる。
寝てる時もあるけど、玄関で貴士さんの靴があるとホッとする。
貴士さんは出張でやって来るんだけど、俺には帰って来るって気になった。
「今度はいつ帰って来る？」ってメールすると「帰って来る？、、、嬉しいな。タクミにそう思ってもらえると嬉しいよ。」
身体の関係も何も無いのに、貴士さんは親の様に接してくれた。
それから半年、、、俺は急に泣きたくなった。不安になった。
貴士さんに何もして上げれて無い、そんな俺が情けなかった。給料何て微々たる物、貴士さんが家賃やら色々出してくれてるから生活出来てる。急に泣きたくなった。捨てられるんじゃないかって、、、
でも、身体の関係は、、、俺が貴士さんに出来る事って何だよ！貴士さんに取って俺は何？泣いてた。
貴士さんの誕生日プレゼントだって、俺の金って言うより貴士さんの金だ。
「俺って貴士さんの何？ペット？恋人？子供？何もして上げれてない。俺がゲイになれたら良いの？でもダメなんだよ。仕事では出来たのに、、、身体に興味あるんでしょ！やりたいんでしょ、ホンとはそうじゃないの？何も出来て無いから、してあげれないから、、苦しい。」とメールしてしまった。
「タクミ、ありがとう。それに気が付いてくれて嬉しいよ。タクミの身体目当てならとっくに犯してる。しかしな、タクミはもう僕の息子みたいな存在だ。タクミと居ると親にさせてもらえたって気になる。タクミが頑張って生きてくれる事が喜び。遊びたい時はまたあの店で遊び限定で遊ぶ。タクミは僕の息子だから。タクミに取って僕が必要な相手？」
「必要だよ！なくてはならない人、親以上に親だよ。」
「それなら良い。タクミが自分の店を持てるまで応援する。その代わり、いつか楽をさせて上げたいって言ってくれたよな。そのいつかを期待してるからな！そして、タクミは愛が欲しいと言ったんだよな。こんな愛が欲しかったんじゃないか？。」
「そう、そうだけど不安になる。だって俺は親にも捨てられたんだし、、」
「誰が捨てるか！ちゃんと約束通りに楽をさせてもらわないとな。」
初めて会ってまだ１年なのに、俺に取って親以上に親。親や親族がしてくれなかった事を全部してくれてる。身体の関係無いけど、貴士さんなら許せる。
パンツはどっちのか分からなくなった。色違いで同じパンツ買って共有してる。服も時々色違いで共有。
休みの日、行き付けのカフェでテイクアウトし、いつも１個を飲み合いながらショッピング。２個買うより１個大きめ買う方がお得だし。
ショップでお父さんといつも出掛けるの？って聞かれる。
「そうです」って応えると貴士さんは「甘い親ですから」と言う。
仲の良い親子って何処へ行っても言われる。
貴士さんの友達にも紹介された。「息子のタクミ」ってね。元カノの隠し子だって。最近はホント色んな人に紹介してもらってる。
他人何だけど、声やしゃべり方が似てると言われたり、体型似てるからかな、血の繋がりがある様に言われる。学生時代の友達にバッタリ、「お父さん？」「そうだけど？」って俺も。
ぜんぜんエロじゃない体験談でごめんなさい。
でも、お客さんだった人とこんな関係になるとはって事を書きたくて。
恋愛じゃないけど、貴士さん、、、父さんの事はめっちゃ愛してます。俺の命をも救ってくれた人、ホントに大切な人。いつか必ず楽をさせて上げるから！