貴士さんはバイでバツイチ。もう結婚は懲り懲りなんだって。俺はどうだろう？売りではバイって事にはなってたけどほぼノンケだと思う。男経験ありますってだけな感じ。
貴士さんの事は大好きだけど、セックスとかそんなんじゃなくて、ホントに大切な大切な人。
貴士さんも最初だけで後はね「お客さんはタクミの脱いだ姿しか見ないし、タクミも抜いた姿が仕事だろ。僕は脱がせたく無いし、脱がないタクミと過ごしたい」って言ってた。
俺が求めてた愛ってセックスじゃない。親から愛されなかった。店に来てたお客さんだって、ぜんぶ口先だけで結局はセックスじゃん。俺が女とやるのと同じ。愛が欲しい、愛に飢えてた。形なんか要らない。
貴士さんはそんな俺を満たしてくれてる。
貴士さん「身体の関係より何より、タクミと親子になりたい。養子にしても良い。」って言ってくれた。
親以上に親なんだ。たぶん、、、身体の関係は無い。身体の関係があったら終わりの時じゃないかって思う。
貴士さん「タクミは中身が好き、遊びや恋愛より息子だ。」って怒られた。
貴士さんのタイプが空いてなかったから、俺は貴士さんと出会えた。
好みは俺の様な顔じゃない。だけどじっくり好きになったって言ってた。
金の話になった時に「タクミはどうしようもないやつだな、ホントにめんどくさいやつだな。」ってはっきり言われた。
「でもな、タクミは真っ直ぐなやつだな。隠し事をせず、バカなタクミを見せてくれた。顔はイケメンでもやってる事は不細工だけど、お前の事はほっとけない。」バカな俺を貴士さんは好きになってくれた。
学費も家も家電も何から何まで、、、「タクミ、ホントはぜんぶ親がやる事何だぞ！タクミの身体目当てならこんな事はしない。」って言ってもくれた。
抱かれたいとかそんな事を通り越して父さんだ。
ずっと一緒に居たい人。ずっと見守ってて欲しい人。貴士さん「タクミは遊び相手じゃない。タクミが成長する事を願ってる。」と言った。
「ちゃんと返さなきゃね。」と言うと、、、
「返す必要は無い。タクミが立派な大人になってくれたらそれで良い。それが親心じゃないか？タクミが欲しかった愛だろ。僕も親にしてもらえ、親としてタクミを自慢してる。親の気持ちになって皆と話が出来てる。タクミは本当に息子だ。」と言ってくれた。
顔に惚れてくれる人は居るが、俺のまったくデタラメな生活は誰にも見せなかったし、見ようともしなかった。
顔より俺自身を好きだって言ってくれたのは貴士さん１人と言える。
今、俺は別の勉強を始めた。仕事は一旦辞めた。
もう少しで資格が取れる。何もかも貴士さんと相談をして決めた。
貴士さん、地元での仕事が忙しく、なかなか帰って来れない。10月になった。後１週間で帰って来る。
父さんに甘える心境。いつも家飯なんだ。
ずっと外飯だったから、貴士さんと一緒に買い物行って飯を作るんだ。
貴士さんの飯、愛情いっぱいで旨いんだ。
まったり過ごして、将来のプラン考えたり、、、貴士さんその間に俺の服のボタン直してくれたり、破れたら所を縫ってくれる。
父さんだよ。俺の大切な父さんなんだ。