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恥ずかしい…追加23


記事No.520  -  投稿者 : 岳人  -  2014/10/13(月)09:11  -  [編集]
金があるなら払ってやりたかったが、どんなにバイトしても半年で80万ってのは当時は難しい。
「俺も翔大の所で…」
「岳人、気持ちだけ受け取っとく!売りなんて絶対するな!」
翔大はそう言った。色んな事を考えた。水商売から更にゲイビまで。1回出れば5万〜になる。何本か出れば等も…
「岳人がそんなことしてどうなる?。汚れんのは俺だけで良い!。」
その頃、翔大の親は父親の実家、故郷へ帰ると聞いた。
「翔大はどうするの?」
「まだ、就職決まらないからなー。」
翔大は就活どころか、今を生きる。学費を稼ぐのに必死だった。
いくら大卒でも、地方での就職も厳しい時代。
「とりあえず卒業しないとな!。」
「翔大住む所は?」
「来年の春までは今の所を残してはくれてる。」
翔大の家、分譲マンションと、俺の家は訓練に通った銭湯を挟んでチャリで30分くらいの場所。
「いつから親は帰る?」
「今月末とか言ってたな。」
翔大にはまだ中学生だった妹が居る。
「翔大はいつからゲイに目覚めた?。」
「いつからかな?中学の時には分かってた。」
「俺は何人目?」
「そんな聞き方するなよ!岳人だって何人かの女と付き合ったんだろ!」
「そうだけど、聞きたいじゃん、知りたいじゃん」
「付き合ったって言えんのは2人かな?。」
「2人?もうその内の俺は1人?」
「ああ、そうだな。」
「もう1人は…航平さん?」
「違う、あの人はセクフレ。付き合ったのは高校の時の先輩。」
色々話してくれた。中学の時に好きになった相手はノンケばかりで辛かったと言ってた。
従兄弟のお兄ちゃんが好きで、意識し始めたとも言ってた。
色んな話をしてくれたな。夢中で話をしてもくれてた。
親が故郷へ帰ってからは、翔大の所へ泊まったりする事も増えた。
泊まりでの仕事が入らない限り、一緒に居る時間を増やした。
スケジュールを出せば、1日1つは仕事が入ってた。授業が無い日は昼からスケジュールを出してた。
平日は中年〜年配のウケが多いって言ってた。
タチが続けば、最初のお客さんにはイッたふりをしてるとも言ってた。
たまに出張で来るお客さんからの予約が入り、夜から泊まりで出かける事も少なくなかった。
翔大はがむしゃらに稼いでた。
俺たちのセックスは10日に1度あるか無いかだった。それでも俺も翔大の何らかの支えになれる様にと、バイトをしたりだ。
出来る限り、繁華街へは近づかなかった。翔大が居る店、良く呼ばれるホテル、お客さんに連れて行ってもらう店、それらは見たくなかった。
世の中はクリスマス一色になってた。俺は内定祝いをもらい、就職で必要な物と翔大へのクリスマスプレゼントを購入するためにデパートへ出掛けた。
デパートは幾つかあるが、ポイントカードを母親から渡され、そのデパートに限られた。
自分の目的商品を選び、翔大へのプレゼントを見てた時だ。
中年男性と翔大が売場に…えっ!俺は咄嗟的に身を隠した。
しかしどんどん接近して来る。話しが聞こえる。
「〇〇君、好きな物良いよ!」って中年男性が言ってた。翔大の店での名前〇〇君…
「えー良いんですかー!ここ高いですよー!」
翔大がいつも言ってたリピーターの中年男性だろうか?。
この翔大の姿も営業。全部営業…営業だ!
俺が翔大の為に選んだプレゼント…全然ちっぽけにも思えた。
中年男性が翔大の服を選び始めた。
2人が商品を選び始めた瞬間、俺は足早に立ち去った。
分かってるつもり、分かってるつもり。しかし悔しくて…
その晩は翔大も泊まり。翔大には会えないし、見てはいけない場面を見てしまったし、眠る事は出来なかった。
朝方、翔大の所へ行き、翔大の服を抱きしめてた。
俺は何してるんだ!めちゃくちゃ泣けて来た。
クリスマスイブも翔大は予約が入り、翔大とは過ごせない。
初めてのクリスマスを翔大と過ごしたかったが、当時まだ付き合ってた彼女と予定を入れた。意地を張ってたと思う。翔大と会えない寂しさを今度は彼女で補ってた。
彼女と居ても、翔大の事を考えてた。今晩も彼奴は他の誰かと寝てんだ!そんな思いだ。自分も都合良く彼女と過ごしてるのに…
25日、3連続の泊まりの仕事を終えて翔大から連絡が入った。
「岳人と一緒に食べたかった!」とクリスマスケーキの写メ付き。
直ぐに翔大の所へ行った。溜まりに溜まった思いが溢れた。
おもいっきり抱きしめた。分かってる、めちゃくちゃ疲れて帰って来てる。
「岳人、ごめん!」
「ごめん…」
やりたくてじゃない、翔大の例の裂けた時から、俺も心得てたし、翔大の仕事も理解してたつもりだが、お客さんとの姿を見てしまった悔しさが…
翔大をベッドに押し倒し、唇を奪ったが我に返った。「岳人、ごめんよ!」
「翔大3連続だったんだよな!。悪かった…」
ベッドに仰向けになり天井見つめながら、俺何やってんだよなって!
「泊まりの3連続はやっぱ辛い!」
「仕事だったんだよな!待ってるの辛かった。」
「本当にごめん!」
「見てはいけない場面見ちゃったから…」
「えっ?」
「〇〇(デパート)で…」
「岳人行ってたんだ!」
「ああ、直ぐに逃げた」
「マジかー!でも違うからな!」
「分かってる。分かってるけど…こんなプレゼントじゃな!」
翔大に渡すのがすごく気が引けた。
「俺もあるんだ!」
俺がプレゼントに選んでたのは翔大へのネクタイだった。就職が内定しそうと言ってたから。
お互いの包みを見て、お互いに笑った。同じ包装紙の同じ形。
開けてみてまた笑った。柄は異なるが同じブランドのネクタイだった。
「こんな物って言うなよ!それ言うと俺も困る!」
「言えないよな!」
「あの人に何買ってもらった?」
「スーツ…ごめん!」
「スーツかー!」
「値段とか物じゃないだろ、ふたり考えてる事同じじゃん!」
翔大は気持ちは1つだと言った。
「イブじゃないけど今日がクリスマス!ケーキ食お!。」
「これどうした?」
「帰りにケーキ屋で半額だった!」
「ふたりでこれだけ食える?」
「昼飯食わなきゃ良いだろ!。」
「あのさー、翔大にはロマンチックっての無いの?」「3日ずっとそれに付き合わされたから、超めんどくせー!」
ケーキ食って翔大は爆睡した。
この3日間はリピーターのお客さんだったと言ってた。イブの夜のお客さんは翔大が売りをはじめてからずっとリピートしてくれてると言ってた。
昨晩と今朝、バックと発射…
売り専ボーイの彼氏は本当に辛い。
俺は翔大から色々学んだ。他者からの手コキは航平さんだが、ほとんどの初体験は翔大だ。それだけじゃない、それ以上に愛するって事を知り、肉体的な快感だけでなく、男との恋愛を翔大と付き合う事で実感した。


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