撮られたいと言う事より、あの時、航平さんとの頃に戻ってみたいと言う気持ちが沸き上がってた。
無性にあの頃が懐かしく感じてた。
カメラマンから教えられたサイトを覗いてみた。
確かにモデルを募集してる。会員制で流出しないとサイトには書かれてる。
亮介との撮影も、航平さんから撮られてた時も、それらの事が頭一杯に描かれた。
あの頃は幸せ？その時は幸せと感じてた。
良かった…恥ずかしかったけど良かった。そう思ってた。
自分に自信があったからじゃなく、あの頃の様な事がただしてみたかった。
メールを送ってみた。
色んな説明を返信してくれた。もし何かが…本当に大丈夫か？と言う気持ちもある。しかもここしばらくは亮介の手によって裸を見せる事になってた。
ゲイビの様な陰部を強調して撮影するモノでもなく、美しい撮影を目的とする事も説明された。
芸能人が女性誌で披露してた姿？パッとそれが浮かんだ。俺には無理だろう、そう思った。
大丈夫か？と思いながらも、言われる様に顔と着衣だが全体の画像を自分撮りして送った。
しばらくして「お願いします。」と返信が来た。
ドキドキしてた。いざとなるとすごくヤバイ事をしてる様にも思えた。
もし万が一な事があったら、俺は仕事を辞めないといけない。その不安もあった。只でさえ、亮介の所に出入りしてた事から、俺も一度疑いを掛けられた。それによってしばらく職場から謹慎と言うのもあった。
しかし、抑えきれない欲望。あの頃、あの時…亮介や航平さんではなく、あの頃、あの時の自分になりたい。
色んな悶々とした思い、職場での抑えてる思い、あの頃、あの時の様に開放してみたい。そんな思いが沸き上がってた。
先に面接的な事をと言われ、指定された場所、事務所に先ずは行った。
スタッフだろう。様々に身体チェックがあり、全裸にはならなかった。
ここでダメか？と思った。顔にも自信は無い。身体も定期的には泳ぎには行ってるが、スリムで他の人の様に胸板が厚い訳じゃない。背が高いだけのヤツ。
福士蒼〇に似てるとか言われ、福士蒼〇をゲイサイトで調べてみた時、賛否両論あった。しかし、あれがイケメンなら世の末とも書かれてた。その書き込みが俺が一番嫌に思ってるパーツを指摘してるし、やっぱりな、テレビに出てる、ドラマに出てるからだ、等と自分を益々悪く思っても居た。
顔はこんなだし、スリ筋ではあるとは思うが、薄っぺらな俺だ。
しかし、スタッフから言われたのは「お願いします」だった。
様々に説明を受けた。やってみたい気持ちと、やはり俺にはと言う気持ちがある。内容を聞けば、女性も居ると言われ、自分が思ってた事と違う気がした。その場では断れなかったが、帰って断りの連絡を入れた。悶々とした生活は続いた。彼女と会っててもやはり晴れない。
当時は週１〜２で泳ぎに行ってた。仕事帰りにもと言う気持ちになり、帰りに泳ぎに行く様にもなった。
痴漢の事や発展場の事は書いたが、その他にも幾つかの出来事がある。
ネットサーフィンしてここのサイトや他の画像投稿サイトを知ったのだが、他のサイトで俺の画像が投稿されてた。
亮介が見付けてたサイト。俺や亮介の風呂場での隠し撮り投稿されてたサイトだ。
こんな事をするヤツが居るんだ！あのプールにもゲイが居る？
サイトからまたネットサーフィンしてると、あるサイトに辿り着いた。
顔は出さない、此方が許可した範囲でホームページに載せると言う内容のモデル募集だった。年齢的にはギリギリだが、スリムな体型をと言う事だった。
メールを送ってみた。１度会いたいと言う返信だ。
またあの時、あの頃が頭を過る。
待ち合わせ場所を決めた。カフェで待ってると「岳人君ですか？」と男性が…
「あ、はい。」
「〇〇です。」
「岳人です。」
カフェでお茶をしながら少し会話した。
「20代半ば過ぎには見えないね。」
「えっ？」
「もっと若く見られるでしょ！」
「は、はい。だからいつもは髪上げてます。」
「芸能人に似てるって言われない？」
そんな会話をした。
「早速お願いしたいんだけど、時間あるかな？。」
「終電に間に合うならですが…」
「何処まで帰る？」
「〇〇線〇〇駅です。」
「OK！其所だったら送って上げれるし、早速どうかな？。」
「え、マジですか？今から？。」