卓に俊樹さんの事を話すと、しばらく無言になった。
これからどうなる？
卓は怒る？俺は無言の間、色々と考えた。
すごく長い時間の様にも思えた。卓は何か言いたそう。
俺「卓を愛してる。俺、どうかしてた。本当にゴメン！」
卓「…謝らなくて良い。」
また黙った。
また沈黙が続いた。
卓「岳人、気持ち良かった？」
俺「…ゴメン、良かったのは確かだった。」
卓「そう、そうなんだ。」
俺「…」
卓「そりゃそうだよね、ウケの僕がどんなに頑張ってもダメだよね。」
俺「気持ちの上だったら、全然気持ち良いよ。」
卓「岳人だけを我慢させる訳にはいかないよね。」
俺「えっ？」
卓「岳人がウケしたい時の相手なら良いよ。」
俺「良いよって？」
卓「ウケの岳人としてその人と会うならだよ。」
俺「いや、これっきりにしたい。」
卓「僕じゃあ満足させられないから、岳人、その人に抱かれたい気持ちあるんでしょ！。」
俺「無いとは言えない。だけど俺は卓が好きだし、卓とは別れたくない。だから我慢する。」
卓「我慢出来る？岳人は亮介に散々開発されてるんだもんね。だからケツだって感じるの当たり前だよね。」
俺「元々は違う。」
卓「元々はそうじゃないのはわかってる。だけど、覚えてしまったんだから。」
俺「卓とだけで良いんだ。ただ正直に話しておきたかっただけなんだ。」
卓「心さえ奪われなかったら、僕は良いよ。岳人、謝るのは僕の方。」
俺「僕の方？」
卓「岳人の事が大好き。岳人と別れたくない。」
俺「別れる気なんて無い。」
卓「プロデューサーとは１回だけじゃない。何人かのゲイの芸能関係者と寝てる。１ヶ月行ってた間も、何度か抱かれた。だけど、身体は感じても、岳人の事はずっと思ってた。身体は売っても、心は売らない。」
卓はロケ先での事を赤裸々に話した。
共演者の１人、現地の有名俳優がゲイだった事、そしてその俳優と関係を持った事、プロデューサーとの事もだった。
１ヶ月の間に、共演者と数回、プロデューサーと数回、卓は抱かれて来た事を話した。
卓「感じて無いとは言えない。外国人は激しくて凄かった。でも、岳人に抱かれてる時が一番幸せなんだ。だから謝るのは僕の方なんだ。だけど、岳人の事だけを愛してる。都合の良い事を言ってるのは僕の方なんだ！。」
俺「そうなんだ。卓が他の人に抱かれたって、俺は卓が好きだし、心と身体は別物だよな。卓とこうして過ごしてる事が大切なんだよな。」
卓「僕の心も身体も岳人の物だよ。だけど、仕事を取るには、仕事を回すには関係を持つ事を許して！。」
卓の話は衝撃的で赤裸々だった。俺以外の奴らに抱かれるだけでなく、外国人の俳優については、大きさだけでなく、プレーの激しさは驚き唖然ともしたが、亮介がやってた事にもある意味似てる気にもなる。
どんなに身体は売っても心は売らない。
そうだ、翔大も同じ事を言ってた。翔大と付き合い始めた時、あいつは売りをしてた。
そして、享もだった。享と数回関係を持ったが、享から俺には身体を売りたくないと言われ、享との今の関係になった。
さて、ここまで。
今後はどうなるだろう。近々、卓と一緒に康平さんの所へ行く。
そして、俊樹さんとまた飲む約束はしてる。
以上、ここしばらくの間の事を書きました。