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オトコどうし2


記事No.767  -  投稿者 : 鉄平  -  2018/01/31(水)18:54  -  [編集]
俺が体験したこと、今体験していることを、少しずつですが書いていこうと思います。


京介に会った次の日から、俺は筋トレを始めた。学生時代は小中高と野球をしていたから、今でもそれなりに筋肉がついており、それなりに人に見せれる身体をしていたと思う。しかし社会に出てからというもの、継続して運動をしてこなかったため、30を過ぎる頃には自分でも認めざるを得ない、情けない身体になっていた。
別に京介に良い格好をしたいわけではなかったが、あいつに触発されたのは間違いない。おかげで嫁や子どもには笑われたが、なんとか1週間続き、おかげでそれなりに人に見られてもいいような身体になったと思った。

約束の日。
朝からずっと落ち着かなかった。
もともと約束事があると、その日の朝から何をしていても落ち着かないタイプである。待ち合わせの時刻より30分ほど早く着いた。
まぁ、風呂の中で待ち合わせているし、ゆっくり湯舟に浸かりながら待つことにした。

「鉄平さん」
声がする方に顔をやるとあいつがいた。
京介を見た俺は見惚れてしまった。目の前に現れた京介はタオルで隠すこともせずに笑顔で俺の頭上に立っていた。
前回会った時は特段意識はしていなかったが、なんてかっこいい身体なんだろう。筋肉でハリがあり、厚みのある胸板に、くっきりと割れている腹筋。血管の浮き出た男らしい腕に、弾力とボリュームのある尻、へその下に伸びる少し濃いめの陰毛。無駄な脂肪がなく、引き締まった脚。そして俺の顔30cmほど先には、先端まで皮の被った、ふてぶてしいほどずっしりとした包茎ペニスがダランと垂れ下がっていた。そこに立っている京介は、男なら誰でも憧れるような理想的な身体をしていた(今でもこの時と変わらず、京介の身体につい見惚れてしまうことがある)。我に返ると、この1週間筋トレを続け、いい身体になったと思っていた自分がすごく恥ずかしく思えた。確かに俺の身体も昔の杵柄でいまだに筋肉質である。身体の各部位もそれなりに厚みはあるし、身長も低くはないし、体格はよく見える。だが、今の俺の身体には厚い脂肪が乗っかっており、京介や若い頃の自分と比べると、なんとも締まりのないだらしない身体だ。それにちんぽも…
正直あいつの方がデカかった。玉の大きさや太さなら負けてなかったと思う、だが、あいつのもずっしりとしており、長さもあった(皮の被り具合は同じくらいだった)。
湯舟に浸かってほんの数分後のことだった。

「早いですね。待ち合わせより早く着いたと思ったので鉄平さんの方が先に来てるとは思いませんでした」
「いや、俺も今来たとこだよ」京介は俺の横に腰を下ろした。
「気持ちいいですね」笑顔で俺に話しかける。

その後、一緒に一通り銭湯を満喫し、風呂上りには今回も前回と同様に酒を飲み交わし、お互い色んな話をした。
京介は大学を卒業したあと、いろいろな国を旅したそうだ。ワーキングホリデーの制度を使い、主にヨーロッパを点々としていたらしい。その一年後に帰国し、フリーのカメラマンとして今に至るとのことだ。最初のうちはなかなか仕事がなく、仕事があるところなら日本中何処へでも飛んで行ったという。何処にも属さず、誰かの下に付かずにカメラマンになった京介にはコネクションがなかった。だからどんな仕事でも一所懸命やったそうだ。なかには、内容も金銭的にも納得のいかないものや、約束と違うことも多々あったらしく、また、旅費もバカにならなかったらしい。
それでもカメラで生計を立てたいという思いで、なんとかここまでやってきたという話を京介は実に穏やかな語り口で俺に話してくれた。
話を聞けば聞くほど、俺は話の内容に、京介という人間に惹かれていった。俺にはないものをいっぱい持っている気がして、年下ながらに素直にすごいと思った。
「でもまだ自分の撮りたい写真で生活できていないのでまだまだです」
そう言うと京介は少しはにかんだ。「撮りたい写真って?」俺は聞いた。
「自分の感性で、自分にしか撮れない写真です」
俺にはピンとこなかった。「具体的になにかあるの?」と何気なく聞いたつもりだったが、会話が一瞬詰まったように思えた。
そしてそれを隠すかのように、京介はすぐに「なかなか…今は色々と模索しています」と話を続けた。
正直なところ、芸術について語れるほどの頭がない俺は、そうなんだ、という風に話を流してしまった。

「京介くんは今付き合ってる人はいるの?」
いるだろうなと思いながらも聞いてみた。
「今はいません」
選びまくりだろうにと思いながら「どんな女がタイプなの?」と聞いた。

そして何気なく聞いたこの質問の答えに俺は衝撃を受けることになる。


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