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●狂気の愛情

記事No.190  -  投稿者 : 黒鉄
2014/01/01(水)23:39  -  [編集]

「和也ぁ、あっ、あぁぁぁ!!」
独り室内で、蛭間は片手に雑誌を見ながら、自慰行為で果てた。
それはメンズファッション誌で、開かれたページには、モデルの爽やかな美青年が載っている。
その写真の彼に、射精して生暖かい白濁液を塗りつけた。
「和也…、たまんねぇ、ふひひふっ、明日が楽しみだよ…。」
独り暗い部屋で蛭間は何か妄想にひたり薄ら笑い続けた。

そして、次の日…。
晴れやかな大学のキャンパス。お洒落な学生達があちこちで賑やかに雑談している。
その中で、独り暗く沈んだかのように地味な蛭間が立っていた。
そんな彼をあたかも空気のように、誰も話しかける者もいなかった。
しかし、ある出来事で蛭間は注目を集めた。
彼のところに、一人の青年がやってきたのだ。
特に女性達の視線が集まるのを意識する蛭間。
その爽やかな青年は、鶴谷和也20才、蛭間と同級生であった。
「よっ、蛭間ごめん、待たせたな。」
「鶴谷君、気にしないで。」
「講義のノート、いつも借りてごめんな。」
「鶴谷君、モデルの仕事で講義出る暇ないんでしょ。」
「そうなんだ、しかも最近、大手芸能事務所からの誘いもあってさ」
「えっ…凄いよ鶴谷君!」
「でも、期末試験で単位落とすと影響するからさ、いつも恩に着るぜ」
蛭間はノートを取り出そうとカバンに手を入れた。
「あれっ?あっ、ごめんノート忘れた!!」
「えっ…忘れたの…」
「ごめん、あのっ、僕の家すぐ近くだから、今日大学終わってから取りに来てくれる?」
「仕方ないなぁ、じゃ、夕方にちょっと寄るから。」
少し困惑しながらも、爽やかな笑顔を見せる和也。
蛭間は周りからの視線に気づいていた。
いや、いつもの事だから気にしていない。
大学いちのイケメンで皆の憧れである和也と、冴えなく陰気ぽい蛭間が二人話しているのを、周りが怪訝そうに見ているのだ。
すると、数人の男女が和也に声をかけてきた。

「和也、何してんだっ、早く学食行くぞ!」
「和也君、早くいこー!」
それは和也と仲がいい連中だった。
「じゃあ蛭間、夕方なっ!」
和也は蛭間と別れ、颯爽と仲間にかけよっていく。
「和也、お前あの蛭間と何話してんだよ…」
「なんかあの人陰気臭いのよね…」
「そんな事言うなよ、一応同級生じゃないか、しかも蛭間のノートは重宝してるんだからさ。」

ヒソヒソ話すその姿を見て、蛭間の心の底に沸々と陰気な怒りが込み上げていた。

入学して初めての講義…。
僕の横にたまたま座ったのが和也だったんだ…。
その時、和也を見た時から胸を踊らせたんだ…。
こんなカッコいい人と友達になれたら、どんなに楽しいだろう。
それから僕は彼のために尽くしてきたんだ…。
僕には和也しかいなかったから…。
でも、人気者の君はたくさん別の友達を作った…。
次第に僕から離れていった…。前回の試験でノート貸してくれたお礼に晩飯をおごるって…
すごく楽しみにしてたのに…、モデルの急用ができたってドタキャンして…、
でも俺は知ってるよ…
彼女とデートだったんだよね、
君のマンションに行ったら二人で出かけるの見たんだ…。

和也、君が悪いんだ、僕から離れて行く和也が悪いんだから…。

陰気な表情で去っていく和也の後ろ姿を眺める蛭間。
ふいにその視線が、タイトなパンツをはいた和也のケツに釘付けになった。
(ぐへへへ…いたぶりがいのあるケツしてんなぁ、和也ぁ〜)
舌なめずりをする蛭間の股間はすでに盛り上がっていた。


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作者  黒鉄  さんのコメント
新年早々になんか暗い小説を始めてしまい、ごめんなさいね。
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