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●知らなくて@

記事No.236  -  投稿者 : ただの
2015/06/06(土)00:41  -  [編集]

あの時の彼と同い年になったいま、わかること。

F県W市の、それほど裕福ではない人々がささやかなマイホームを求め集まった住宅街に、両親が越してきたのは僕がうまれる3年前。父は小規模の家電メーカーで開発の仕事をしてて帰りが遅く、母は大きな百貨店で化粧品の販売員として働いていた。何が言いたいかというと僕は家ではひとりぼっちだった。小学校が終わるとそのまま友達と公園でサッカーをするか相手の家でゲームするかして、帰宅、その日出された宿題を手際よくかたづけて、ラップの掛けられた食事をレンジでチンしてひとりで食べて、ひとりでテレビを見てそのまま寝る、のくりかえし。話し相手もいない、退屈でさびしい日々だ。だからあの日たかしとあの公園で出会えたことは、幼い僕にとってささやかな喜びだったんだと思う。はたして、それが正しいことかどうかは別として。


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