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●アルバイト(8)

記事No.262  -  投稿者 : アロエ
2015/11/13(金)22:33  -  [編集]

「久々ですね、こんな心躍る映像は」
「カメラで撮ってる間、チンポが疼いて大変でしたよ」
「安心しろ。今から心置きなく、その溜まったストレスを発散させてやるから」
 ソファーに座りながら、山岡達が今撮ったばかりの映像をチェックをしている。ビデオカメラとケーブルで接続されたテレビ画面が映し出す、理性を失った少年達のあられもない痴態の数々。そんな画面を前にして、三人ともかなり機嫌のいい様子であった。
 衣服を整え直した渉と秀平が、山岡達の前へと近付く。ひと仕事終えた達成感に浸る彼らとは対照的に、渉達はすでに心身共に疲弊しきっていた。
「あの……俺ら、もう帰るんで……」
 渉が、そう山岡へと告げる。
 テレビから、二人の喘ぎ声が響く。さっきまでの、紛れもない自分達の姿。とてもその映像を正視する事など出来ない。今は一刻も早く、ここから秀平と逃げ去りたかった。
 そんな二人へと、ソファーに座ったまま山岡が顔を上げる。
「帰る?」
「はい……」
 なぜか山岡が、意味ありげな笑みを浮かべた。
「何を言ってるんだい。これから楽しい打ち上げを始めるんだ。肝心の君達がいなきゃ、意味がないだろ?」
「えっ……」
「君達と会えるのもこれが最後なんだし、今夜はもっと楽しもうよ」
「………」
 秀平が、渉の肩を掴んでくる。
「渉……」
 不安そうな表情で、秀平が呟く。早くここから出ようと、その眼差しが訴えていた。
 当然、渉とてその気持ちは同じである。彼らからの要求を果たした以上、もうこんな連中の傍には一秒たりともいたくなかった。
「打ち上げとか、そういうのいいですから。車で送ってもらえなくても、俺らだけで何とか帰れるんで」
 山岡の誘いを断り、渉は秀平と共に、出口のドアへ向かおうとする。
「誰が帰っていいなんて、言った?」
 その言葉に、二人の儚い安堵が一気に打ち砕かれてしまう。
「だって……撮影は、もう……」
「君達二人であんなに楽しんで、それでさよならってのは、少し不公平過ぎるんじゃないかい?撮影中、こっちはずっと我慢し続けてたんだよ?」
 渉と秀平の表情が、一気に青ざめていく。
 山岡が、リモコンでテレビ画面を消す。
 一転、静寂に包まれる密室。
 二人へと向けられる、男達の視線。獲物を捕捉した獣のごとく、ギラギラと獰猛な光をその瞳に宿らせていた。
「な、何を……」
 本能的な恐怖に、渉と秀平は男達から後ずさりする。
 そんな二人へ、田辺がソファーから静かに立ち上がった。
「次は、俺達が楽しむ番だろ?」
 渉達へと、田辺が迫る。
(嘘だろ……)
 新たな絶望が、二人を襲う。
 田辺が、目の前にまで距離を詰める。
 その屈強な男の眼差しに、秀平は硬直し怯えきってしまう。
 自分達の役目は、まだ終わってなどいなかった。欲望を剥き出しにさせていく男達を前に、本当の地獄はこれからなのだと思い知らされる。
「ふざけんな!」
 渉は怒りに叫び、田辺の顔面目がけ拳を勢いよく振り上げた。
 だが次の瞬間、そんな渉の手首を田辺が素早く掴んでくる。動きは完全に読まれていた。渉の拳は呆気なく受け流され、そのまま田辺によって腕を捻り上げられてしまう。
「くぅっ……!」
 関節に走る激痛に、渉はそれ以上動く事が出来なかった。
「いくら部活で鍛えてるからってな、喧嘩慣れしてねぇ奴が、簡単に拳なんかを突き出してくるもんじゃないぜ?」
 余裕たっぷりに、田辺が言う。
「うっ……くっ……!」
「渉!」
 飛び掛かろうとした秀平へ、田辺の鋭い視線が向けられる。
「おい、あんまし無駄な抵抗はしない方がいいぞ。少しでもお前が動けば、こいつの腕をこのままヘシ折るからな」
「………」
 田辺の言葉に、秀平の動きが止まってしまう。
「秀平、逃げろ!」
 痛みに顔を歪めながらも、渉は必死になって叫んだ。
「友達を売って、また今度も友達を見捨てて逃げるのかい?」
 すかさず、山岡が秀平へと言い放つ。
 秀平は、狼狽したまま立ち尽くす。
「こいつらの言葉なんか聞くな!」
 渉の声が、密室の空間に虚しく響く。
 すると山岡は、自らが撮影時に座っていたパイプ椅子を、秀平の前へと持ってきた。
「君は、ここに座りなさい」
「………」
「どうした?早くしないと、本当に渉君の腕が折れちゃうよ?君は、渉君が苦しんでる姿を、このまま見ていたいのかい?」
 山岡の言葉に、秀平の表情が苦渋に滲んでいく。
「秀平!」
「裸になるんだ」
 渉の声を無視して、秀平へと山岡が淡々と命じる。
 もはや、秀平の選択は決まっていた。山岡の言われるがままに、秀平は着ていたユニホームを無言で脱いでいく。
 追い詰められた秀平の姿を、渉はただ眺めている事しか出来なかった。悔しさと無力感に、瞳から涙が溢れ出す。
 やがて一糸纏わぬ姿となって、秀平は椅子へと腰を下ろした。
「本当に君達は、友達思いだね。そういう純真なところ、大好きだよ」
 二人へと、山岡が嘲笑する様に言ってくる。
 そしてもう一人の小柄な男が、秀平の前にやって来た。手には、いつの間にか用意した麻縄を持っている。
「さすがに、高校生の野郎二人が抵抗するのはきついからな。お前はしばらく、このままでジッとしてろ」
 背もたれの後ろへ両腕を回され、秀平は座ったまま縄で縛り上げられてしまう。
 秀平の抵抗する術が完全に失われた事を確認すると、ようやく田辺は、捻り上げていた渉の腕を緩めてきた。
 痛みから解放されるも、底なしの絶望に渉は打ちひしがれる。
 だがそんな渉に、苦悩する暇すら今は与えられなかった。
「お前はこっちだ」
 そのまま、田辺は渉の身体を引っ張り寄せる。撮影に使用したベッドの上へと、強引に押し倒されてしまう。
 慌てて、渉はベッドから逃げようとした。
 だがうつ伏せに倒された身体へと、田辺が馬乗りになって押さえ付けてくる。
「離せ、離せよ!」
 必死になって、渉はもがく。
「往生際の悪いガキだ、さっさと諦めろ」
「これを使え」
 もう一人の男が、田辺へと手錠を手渡す。
 暴れようとする渉に対し、田辺は何ら怯む様子もなかった。呆気なく渉は後ろ手にされ、両手首へ銀色の手錠を嵌められてしまう。明らかに、玩具で売ってる様な類のものではなかった。冷たく重厚なその輪っかと鎖は、とても自力で引き千切れそうにない。
 両腕を封じられ、渉の抵抗はいっそう困難になっていく。
「河村、お前はどっちがいい?」
 小柄な男へと、田辺が問い掛ける。
「どっちか選ばなきゃならないって訳でもないだろ?まずはこのやんちゃなガキから、じっくり楽しまさせてもらうよ」
 そう言って、河村と呼ばれた男もまた、ベッドへと身を乗せてきた。組み伏せられた渉の斜め前方へ、膝立ちで位置してくる。
「こいつも、お前としたいらしいぞ。いきなり二人を相手しなきゃなんねぇが、しっかりと頑張ってくれよな」
「いやだ、やめろ!」
 渉は激しく頭を振り、叫んだ。
「おい、しっかり抑えてろ」
 田辺の指示に、河村が渉の両肩を押さえ付けてくる。
「さっきまで、向こうの奴にガン掘りされてただろが。それに今までの撮影でだって、何回も山岡さんに好き勝手されてきたんだ。今さら相手が一人や二人増えたところで、失うものは何もないだろが」
 そんな渉へ、河村が容赦なく言い放つ。
 手錠をされ、渉はもう涙すら拭う事も出来ない。未だ自分と秀平の体液が染み込んだままの、生々しいシーツの上で、渉は己の愚かさとその報いを、本当の意味で思い知らされる。救いの手など、もはやどこにもなかった。
 田辺が、ハーフパンツの両端を掴んでくる。
 渉に抗う術などなかった。そのまま田辺によって剥ぎ捨てられ、下半身が男達へと再び露わにされてしまう。
 底知れぬ恐怖に、渉の顔が引き攣っていく。
「マグロになってんじゃねぇよ。もっとケツ上げろ」
 田辺が、渉の腰を掴んできた。
 そのままうつ伏せの状態で、腰を抱き上げられる。田辺へと、臀部を突き出す様な姿勢を強いられる。
「へへ、綺麗な肌してやがるぜ」
 滑らなか両丘へと、田辺の手が這わされてきた。
 ギュッと、渉は強く瞼を閉じる。
 田辺のごつごつした掌が、渉の臀部をじっくりと弄っていく。
 抗う事すら出来ず、渉はされるがままとなってしまう。
 するといきなり、臀部から田辺の腕が大きく振り上げられた。
 直後、その瑞々しい肌へ、勢いよく掌を叩き付ける。
 弾ける様な乾いた音が、室内に響く。
「いいぞ。張りがいいだけに、音もなかなかだ」
 さらに何度も、渉の臀部へと田辺が平手打ちを繰り返す。
 日差しにほとんど晒された事がない色白の両丘が、瞬く間に発赤していく。
 痛みと惨めさに、渉の心は徹底的に踏み躙られる。
(いっそ……殺してくれ……)
 人としての尊厳すら奪われたこの生き地獄の中、自分は一体何のために存在しているのか、渉は本気でその意味を問わずにいられなかった。
 そんな渉を、椅子に縛られた秀平は、動けぬまま目の当たりにさせられる。親友の悲惨な姿から、秀平は耐え切れなくなって顔を伏せた。
「ちゃんと、見るんだ」
 同じく三人の光景を見守っていた山岡が、秀平へ言ってくる。
「俺が……全員の相手をします……何だって従います……だから、渉を……」
 涙声で、秀平は必死に懇願した。
 だが山岡は、鼻で笑う。
「今さら、あいつらをどうやって止めろって言うんだ?」
「………」
「それに、人の心配をしてる場合じゃないと思うけどね。彼らが渉君に飽きたら、次は君がその相手をしなきゃならないんだから。今の内、しっかりと心構えをしておいた方がいいよ」
 山岡が、そんな秀平へ残酷に言い放つ。
 ようやく、田辺による平手打ちが終わる。
 だが、渉にとって本当の試練はこれからであった。突き出す臀部の両丘を、田辺が両手で掴む。そのまま、左右へ押し広げられる。
 割れ目が、ありありと男の眼前に晒された。体内に残っていた秀平の精液が、蕾からじんわりと溢れ出る。
「さっきのザーメン、まだケツから垂れてきてるぜ」
 田辺が、嘲笑う。
「それだけ中がヌルヌルなら、ローション使う必要もないだろ」
 渉を押さえ付けたまま、河村が言ってくる。
「お前だって、一回終わったくらいじゃ、まだケツの中が寂しくて仕方ないだろ?」
 そう言うと田辺は、中指を渉の蕾へ突き立ててきた。
 渉は息を呑む。
 もはや渉への慈悲など微塵もなかった。田辺はそのまま、一気に指を押し込んでくる。蕾が押し広げられ、乱暴に奥へと侵入していく。
「あぁっ……!」
 渉は、苦悶の叫びを上げた。
「さすが、若いだけあっていい締りしてやがる」
 田辺の指が、渉の内部を掻き回す様に動かされる。秀平の精液に濡れた内壁が、強引に解されていく。
 歯を食い縛り、渉はただ耐えるしかなかった。
 やがて根元まで、田辺の指が埋められる。奥の硬い部分を容易に捉えられ、指先がゆっくりとそこへ圧力を加えていく。
「んんぅ……んぁっ……あぁぁっ……」
 後ろから股間へと響く、鈍痛と疼き。指の動きに合わせて、熱く痺れる様な感覚が、渉の中で高まりを増していく。
 臀部を突き上げた姿勢のまま、身を震わせる渉の姿に、河村が笑う。
「あんなに抵抗してて、もう感じてるのか?」
「ガキのくせして、立派なケツマンになってやがる。おっさんにケツの中弄られて、そんなに気持ちいいか?」
 さらに激しく、田辺が指で奥を刺激していく。
「やっ……あっ……んぅぅっ……!」
 甲高い渉の声が、響き渡る。
 素性も知らぬ男からの、嫌悪に満ちた行為。だがそれでも、紛れもない性感の疼きが渉の中で駆け巡っていく。今まで恐怖に怯えていた身体が、刺激に反応してきてしまう。
(嘘だ……そんな……)
 渉自身が、愕然とさせられる。拘束され辱められながら、それでも身体が火照っていく。未だ触れられてもいないはずの股間が、熱い血潮を刻々と漲らせる。心と肉体が、完全に乖離していく。
「おい、こいつ勃たせてやがるぞ」
 やや驚いた声で、河村がその変化に気付いた。
 田辺も、背後から覗き込む。
 肛門を指で犯されながら、いつしか渉のペニスは、勢いよくその幹を反り返らせていた。先程射精したばかりだというのに、充血した亀頭からはまた先走りが溢れ始める。
 そんな渉の姿に、田辺も予想外といった表情であった。
「すげぇ、本気で感じてやがる。そこまで淫乱な身体になってるのかよ。爽やかな顔して、真性の変態じゃねぇか」
「違う、俺は変態なんかじゃない!」
 渉は泣き叫ぶ。
「何を気取ってやがる。今のてめぇは、男に犯されて悦ぶただの雄犬だろが」
 吐き捨てる様に言いながら、田辺が指を引き抜く。終わった訳ではない。今度は人差し指を加えて、二本同時に中へと押し込んでいく。
「ひぁぁっ……あぁっ……!」
 大きく背筋を仰け反らせ、渉は苦悶と快楽に喘いだ。
 刺激が増して、渉のペニスが力強く脈打つ。先走りの透明な汁が、糸を垂らしながら、シーツへと落ちていく。
「見ろよ、さっき盛大にイッたばっかなのに、もう我慢汁ダラダラだぜ」
 河村は野卑な笑みを浮かべつつも、渉の淫靡な姿へ眼差しを向けながら、瞳が獰猛に輝き始める。
「そろそろ、こいつが欲しくなってきただろ?」
 穿いていたズボンと下着を、田辺は片手で器用に引き下ろす。露わとなった一物は、すでに逞しくそそり立っていた。
 指が引き抜かれ、今度はその熱い先端が蕾へと押し当てられる。
 ハッと、渉の表情が強張っていく。背後から伝わる欲望の息吹に、それだけで身体が震えてきてしまう。
「へへ、こいつ自分から穴の入口を緩めてやがる」
 渉の蕾へと、田辺のペニスがゆっくりと圧力を加えていく。
 いよいよ自分の身体が、新たな男によって凌辱されようとしている。だが、渉は今や完全に無抵抗となっていた。物理的な拘束のせいではない。熱く疼いた身体が、自然と男の行為を受け入れてしまう。
 蕾は呆気なく押し広げられ、亀頭の先端が中へと埋まっていく、
「さてと、そろそろ俺も、こいつの味見から始めさせてもらおうか」
 河村はそう言うと、前方から渉へと覆い被さる様に、上半身を傾けてきた。
 耳元へと、河村の舌が添わされる。胸肌へと伸ばされた右手が、乳首を摘まむ。
 それだけで、渉はビクッと震えてしまう。
 ねっとりとした舌とヤニ臭い吐息に、渉の肌が湿る。指先で乳首を弄りながら、さらに首筋や項へ、ゆっくりと田辺の舌が這っていく。
「んぁっ……はぁ……んんぅ……」
 もどかしさに、何度も渉は身を捩じらせた。
 それに合わせて、後ろから田辺が渉のシャツをたくし上げる。素肌を曝け出された背中や腰のラインを、田辺は愛でる様に撫で回していく。だがその間、渉の中へペニスの先端がほんのわずか入っただけで、そこからなぜか止まってしまう。蕾の入り口を擦る様に、わずかに腰を前後へ揺らす程度であった。
 渉は、二人によって悶え続ける。
「や、やだ……早く……」
 衝動的に、渉はそう言葉を洩らしてしまう。
「何が、早くなんだ?」
 わざとらしく、田辺が問うてくる。
 自分が焦らされている事に、渉は気付く。抑え難い欲求が、渉の中で募っていく。精力を漲らせたペニスからは、いっそうの先走りが止めどなく垂れ出していた。
「欲しいです……」
 上擦った声を引き絞り、渉は答えた。
「もっとハッキリと、大声で何をして欲しいのか答えろ。向こうで縛られてる友達にも、ちゃんと聞こえる様にな」
「………」
「早くしないと、俺らお前に飽きちまうぞ?代わりは、もう一人いるんだからな。今度はお前が縛られて、見学する側になるか?」
「いやだ!」
 その瞬間、渉は叫んだ。
「チンポが欲しいです、俺のケツの中にぶち込んでください!」
 切実な声で、渉は懇願する。。
 そのまま、渉はむせび泣く。男達に、自分は完全に屈してしまったのだ。快楽を求め、彼らの完全なる慰み物と化して堕ちていく。
 渉の言葉に、田辺がようやく満足そうな笑みを浮かべる。
「最初から、そう素直になりゃいいんだ」
 しっかりと渉の腰を掴み、田辺は勢いよく腰を突き上げた。
「んんっ……んぁぁっ……!」
 田辺の熱い塊が、一気に渉の中へ押し込まれていく。
 男に犯される親友の姿を、椅子に縛られた秀平は、目の当たりにさせられる。秀平は泣いていた。だがそれでも、もうそんな渉の姿から、顔を背ける事はなかった。涙をボロボロと零しながらも、秀平のペニスは弾けんばかりにそそり立つ。
「おやおや、渉君があんな酷い目に遭ってるっていうのに、君はそれを見て興奮しちゃってるのかい?」
 山岡が、そんな秀平へと言ってくる。
 秀平はもう、何も答えられない。
 そんな秀平へと、山岡の右手が静かに伸ばされた。逞しく脈動するその熱い幹へ、山岡の指が絡められていく。
「あっ……あぁっ……」
 山岡に軽く扱かれただけで、秀平は切ない喘ぎを洩らす。
「羨ましいだろ、渉君が?」
「はい……」
 ペニスを弄られながら、秀平は山岡へその潤んだ瞳を向ける。その眼差しが、必死に訴え掛けていた。
 すると山岡は、秀平を縛っていた縄を解く。
 秀平は、無言で立ち上がる。自由の身となった少年に、もはや抵抗の意思は何ら感じられなかった。そのまま床へと、秀平は裸のままで四つん這いとなる。背後に位置する山岡へ向けて、秀平は高々と腰を突き上げた。
 山岡は、ズボンを脱ぐ。
「普通の生活に戻って、ずっと寂しかっただろ?」
 すでに完全なる勃起状態となっていた山岡のペニスへ向け、肛門をあられもなく晒しながら、秀平の表情は悦びを滲ませていく。
 その間、ベッドでは渉が完全に理性を奪われる。
「んんぁっ……んぅっ……んぁぁっ……!」
 男のペニスで、後ろから何度も激しく責められる。悲鳴にも似た声を上げながら、渉は悶え続けた。もはやまともな思考すらも叶わない。脳天へ突き抜ける様な強烈な刺激の波に、渉はただ翻弄させられていく。
 背後から、田辺がピストン運動を繰り返す。そして前方からは、河村が渉の髪を掴んで頭を持ち上げる。
 渉の弛緩した口へと、河村が強引に唇を密着させてきた。
「んっ……んんっ……!」
 口腔へと、河村の舌が侵入してくる。渉の舌へ、濃厚に絡められていく。
 だがその行為を、渉はされるがままに受け入れる。男の舌に蹂躙されながら、渉の表情は恍惚の色さえも浮かべていた。
「あぁっ……!」
 その時、全く別の声が室内に響き渡る。
 渉の口から、河村が顔を離す。そんな河村へいっそう求める様に、無意識に渉は舌を突き出していた。
「見てみろ」
 河村に促され、渉は声の方向へ顔を向ける。
 床へと四つん這いになった秀平に、山岡が背後から覆い被さっていた。山岡の腰の動きに合わせて、秀平の身体も激しく揺れている。
 渉はその光景を、呆然と眺めていた。
(秀平も……犯されてる……)
 だが秀平の姿に、悲痛さは微塵もない。むしろ、鏡に映った自分を見ているかの様でさえある。山岡に凌辱されながら、悦楽の喘ぎを秀平は何度も発していた。もはや渉の存在すら忘れてしまったかのごとく、親友は己の世界へ耽溺している。
(もう……どうだっていい……秀平がいてくれるなら……俺、変態だって構わない……)
 そんな中で、いつしか河村も下半身を露出させていた。
 河村に、肩を抱き支えられる。何を求められているのか、もはや明確だった。目の前へ晒されたペニスを、渉はごく自然に口へと咥え込む。
 前後から、渉は犯されていく。
「んんぅっ……」
 されるがままに、渉は従った。もはや逆らうどころか、男達の獰猛な欲望をいっそう求めて止まない。二つの熱い塊をそれぞれ感じながら、渉はこのまま受身でい続ける事に、もう耐えられなくなってしまう。
 やがて渉は、手錠で拘束された両腕を激しく振り回す。
「どうした?」
 怪訝に、田辺が問い掛ける。
 渉の口から、河村がペニスを引き抜く。
「お願いです……手錠、外して……イキたい……イキたいです……!」
 涙を流しながら、渉は必死になって訴えた。
「しょうがねぇ奴だ。おい、鍵持ってきてやれ」
「手なんか使わなくても、今のこいつなら出来るんじゃないか?」
 田辺へと、河村がすかさず言ってくる。
 その言葉に、田辺が頷く。
「なるほど。トコロテン、させてみるか」
 すると田辺は、渉の腰をいきなり両腕で抱きかかえ、ペニスを挿入させたまま、後ろへと一気に倒れ込む。
 その勢いに合わせて、渉の身体が一瞬宙へと浮く。
「なっ……!」
 思わず、渉は驚愕の声を上げた。
 仰向けになった田辺へと、背を向けて馬乗りの様な姿勢にさせられる。
「こっちの方が、奥まで響くだろ?」
 下から、勢いよく田辺が腰を突き上げた。
「あぁっ……!」
 身を起したまま、渉は激しく悶える。そんな中で、ペニスは破裂しそうなまでに怒張し、下腹へと亀頭を打ち付けながら何度も脈打っていた。
「ほら、てめぇも腰をもっと動かせ。ケツだけで、イってみろ」
 田辺が命じてくる。
 手を使えない今、渉はその通りにするしかなかった。両脚で姿勢バランスを何とか保たせ、腰を上下に揺らしていく。
「くぅぅ……んっ……うぅっ……んんぁっ……!」
 腰を下ろすたびに、田辺のペニスが奥深くまで貫く。もはやそれが苦痛なのか快楽なのかさえよく分からない、すさまじい痺れにも似た感覚。だが、腰の動きを止める事はもう出来なかった。
(すげぇ……何だよ、これ……!)
 触れてもいないのに、股間が熱い疼きを昂ぶらせていく。中で田辺の亀頭が前立腺へと食い込むたびに、睾丸の奥が締め付けられる様な刺激を響かせる。
 無我夢中で、渉は田辺の上で腰を振り続けた。、
「い、イクっ……あぁぁっ……!」
 ついに限界を迎え、渉は絶叫する。
 騎乗位のまま、身体を大きく仰け反らせた。
 直後、逞しく反り返ったペニスから、大量の白濁が勢いよく噴き上がる。
 その光景に、田辺と河村が色めき立つ。
「こいつ、ホントにケツだけでイキやがったぞ」
「中も……最高だぜ……チンポ千切れそうなくらい、締まってきやがる……」
 身体を痙攣させ、白濁を撒き散らせながら、渉は完全に放心状態となってしまう。意識が、遠のいてしまいそうであった。今まで経験してきた射精とは比べものにならない強烈さで、まさに脳が溶けそうなばかりの絶頂感が駆け巡る。
(俺……イッたのか……?)
 渉は、状況を理解出来なかった。まるで波が押し寄せるかのごとく、自分の中で何度となく高揚と快感が響き続ける。そしてなお、田辺のペニスを肛門に埋めたまま、渉は無意識に腰を動かし続けていた。
「何だ、まだ満足出来ないのか?」
 そんな渉の股間へ視線を向けながら、河村が言ってくる。
 絶頂を終えてもなお、渉のペニスはそそり立ったままだった。そして鈴口からは、白濁が溢れ続ける。
「も、もっと……」
 渉は虚ろな瞳で、そう声を洩らす。
「なかなか、こっちも楽しんでるじゃないか」
 いつの間にか、山岡がベッドの傍に立っていた。横に、秀平がいる。少年の端正な顔が、白濁に塗れていた。
「じゃあ、今度はこいつも参加させていいですか?」
「ああ、構わんさ」
 山岡と河村のやり取りを聞くや、秀平は命ぜられた訳でもないのに、そのままベッドへと身を乗せる。
 二人の妖艶な瞳が向かい合う。
「秀平……」
「渉……」
 そのまま、渉の前へと秀平は蹲った。未だ衰えぬ親友の欲望を、秀平は愛おしげな眼差しで咥え込んでいく。
「あぁっ……」
 河村が、そんな秀平の背後へと位置してきた。
 秀平は渉のペニスを愛撫し続けながら、背後へと腰を大きく突き上げる。潤んで弛緩した蕾は、もう何者も拒みはしなかった。
 待っていたとばかり、河村が秀平の中へペニスを埋めていく。
 少年達の喘ぎと吐息が、なおも深夜の空間に響き続ける。男達に犯されながら、渉と秀平はその狂気の世界でなおも悦び続けるのだった。


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おそらく次で最後になると思います。
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