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俺だけすっぱだか!? 5


記事No.18  -  投稿者 : XSAL  -  2008/11/01(土)11:06  -  [編集]
「やめろ〜!! 離せ〜!!」

俺は力の限りもがいたが、両脇を固めるスタッフの力は頑強で、びくともしない。
部屋の外には板張りの長い廊下が続き、その先には、玄関らしき黒いドアが見えていた。

男たちは、そのドアに向かって、俺の体を運ぼうとしていた。

すっぱだかで、外におっぽり出される!?

迫り来る危機を感じた俺は、このあり得ない状況を打破するべく、両足をバタつかせ、男たちの足を強打した。
男たちは一瞬、ひるんだが、抵抗も束の間、別のスタッフ2人が今度は俺の両足首をそれぞれ掴んで持ち上げた。

え!?

不思議な浮遊間と共に、俺の体は前方に90度持ち上がり、俺の目の前には、自分のお宝が無防備なまま、晒された。
俺はいまや、両手両足をそれぞれ、男たちに持ち上げられ、大の字の状態で、廊下を運ばれている。
隠すことさえ許されなくなったお宝は、男たちの歩みと共にぷらんぷらんと頼りなく揺さぶられた。

「外に出るのは、嫌です!!」

もはや半泣きの俺の声は、全く無視され、黒いドアが開かれ、俺の眼前には、夕焼けの空がいきなり広がった。

「せ〜の!」
男たちは、少し反動をつけて、俺を玄関の外に投げ出した。
いきなり自由になった俺の体は、ふわっと浮き上がり、尻から地面の上に落下した。

ストーリーキング…!?。
昔、テレビで見たことがある。全裸で街の公道を走り回る変態男の姿。
こともあろうに、俺は自分の意に反して、その変態男と同じ姿で、屋外に投げ出されたのだ。

尻もちをついたまま、あたりを見回す。
ところが、そこは公道ではなく、一面の芝生が敷き詰められた庭園のような場所だった。庭園は見渡す限り続き、向こうには大きな木が何本か見えている。

「良平くん。アイドルの君をそんな格好のまま、道端におっ放り出す訳ないじゃん。僕たちもそこまで鬼じゃない。」
「な、何か着せて下さい。」

いくら公道ではないとはいえ、ここが野外であることには変わりがない。部屋の中とは違って、風が渡り、太陽の光が、俺の体を隅々まで照らしている。
そして、誰が来るかわからない空間なのだ。

後藤は、またしても俺の懇願を無視して言葉を続ける。
「君には、この一週間、一切の羞恥心を捨て去ってほしいんだ。」

できるか!?野外で、自分だけがすっぱだかのまま、普通の着衣の他人数名にとり囲まれているのだ。
これで恥ずかしくない奴なんて、相当の変態しかあり得ない。

「今回の写真集のテーマは『WILD BOY』。十七歳の少年のありのままの野生を表現したいんだ。」
野生…!?
「そう。君は今まで中途半端な王子キャラで売ってきただろ。でも、それじゃ、なかなかブレイクは難しいと思うんだ。」
「だからって、脱げば売れるってものでもないでしょう?」
呼吸が落ち着いて来た俺はようやく反論してみる。
「おっしゃる通り。だから、今回の写真集では、君に脱ぐ以上のことをやり遂げてもらわなくてはならない。」

脱ぐ以上のこと…? ど、どういう…。

「今回の写真集は、ストーリー仕立てなんだ。小さな頃から森の中で獣に育てられた狼少年が、性欲を覚え、
本能に導かれて初めて自慰行為を体験する。少年の性への目覚めと、獣の人間性への目覚めを、同時に描いてみたいんだ。」

後藤は、うっとりと語り出した。

「私は長いこと、人間の中に潜む野獣性というものに興味があったんだ。とりわけ、十代の少年に顕著に表れる、
コントロールする術がない内なる凶暴性というものに、ね。」
「…?」
「佐藤良平。君を初めて雑誌のグラビアで見た時、やっと、自分の表現を体現してくれる格好の素材に出会えたと思ったよ。
浅黒いがきめ細かくなめらかな肌。細いのにひきしまった体。粒感豊富な乳首。かすかに割れた腹筋。
勝ち気な瞳をたたえたそのかわいらしい顔…。」

後藤の目は、俺を見据えながら、次第にどこか遠くを見つめる感じになっていった。

「この少年の一糸まとわぬ裸を、フレームに収めたい。そして私の作品として世の中に発表したい。
僕は、そう願わずにいられなかったよ。」
「願わずにいられないって…。」
「そして、何より引きしまった内股の間に鎮座している、その果実は、私の想像以上のモノだったよ。」

果実…? ひゃっ!!
事態のあまりに想定外の展開に、俺は地べたに座ったまま、股間を隠すのを忘れていたではないか。



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