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愛を知る頃 #01
記事No.32 - 投稿者 : 浩二 - 2009/01/08(木)13:55 - [編集]
俺は今海の上にいる。
正確には海の上の船の中・・・か。 高校に入学して2年半以上が経ち、修学旅行の日がやってきた。 俺たちの高校は今年からアメリカに行くことになって、俺も今は少し興奮気味だ。 しかしこれは・・・本当にアメリカに“行く”だけの旅行だ。 今俺の乗る船で日本を出航。そこから3日かけてアメリカへ向かうのだが・・・・・・・・・ そこで旅はおしまい。 アメリカの港に着けばすぐに空港へ行き、飛行機に乗って日本へしゅっぱーつ・・・という、なんとも簡素な旅行(?)プランだ。 飛行機で行って、アメリカを満喫。そんで飛行機で帰国―じゃいけなかったのだろうか? ――行ってスグ帰るだけじゃねぇか・・・ 当然のツッコミを入れ、俺は船の甲板に出た。 この船はフェリーというよりも豪華客船・・・ 70の客室があり、小さな小さな俺たちの学校には多すぎるほどだ。・・・当然貸切というわけではなく、一般客も普通に乗船している。 俺たちの高校が約30部屋使うとして、残り40は一般客。 なんともやりにくい修学旅行。 バカな計画だ。だれだ?こんなアホプラン立てたのは・・・? 甲板から見渡すと、やはり大きな船だ。 出発してから30分。 アメリカまでの道は長い・・・。 そこで船内アナウンスが流れ出した。 『ーー高校、2年B組松岡君。至急船内地下1階、船内レストランへ来てください。繰り返します――』 「・・・あ」 自分の名前が呼ばれた俺は、このあと昼食だということを忘れていた自分を責めた。 どうりで周りに同じ学校の生徒がいないわけだ。 俺は急いでレストランへ向かう。 担任やその他の教師にテキトーに謝り、自分のグループの座るテーブルへ向かう。 「ふぁ〜っ!!ビックリした〜」 俺は声を上げた。 「バーカ。こっちがビックリだよ、アホ!」 「ドコ行ってたんだ?トイレか?」 「おい浩二ー!またうんこしてたのかよぉ〜!!」 口々に俺をいじりだす同グループの男子たち。 俺たちの座るテーブルは壁に密着している形で、俺のイスの後ろ側にもうひとつ小さなテーブルが置いてある。一人席だろう。 「違ぇーよ!昼飯のコト忘れてたんだ」 俺は素直に言った。 「うわっ!馬鹿だコイツ」 「どうせエロいこと考えてたんだろ。浩二だし」 「あーぁ、そうだな。浩二だし」 「だよな。浩二だもん」 「おい!!?」 COPYRIGHT © 2009-2024 浩二. ALL RIGHTS RESERVED.
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