このスレッドは過去ログです

新規投稿 一覧表示 評価順表示 過去ログ

殺人鬼


記事No.43  -  投稿者 : 浩二  -  2009/01/18(日)10:41  -  [編集]
その犯罪者は、突然俺の前に現れた。

「うわぁああああ!」
逃げ惑う1人の青年。その前方には、1人の男がゆらゆらと立っている。
だが、その男の変な点は1つ。
その両手に持つモノだ。
右手に持つはナタ。左手に持つは小さなナイフ。
こんな、大学の一室でそんなものを持っているなど、怪しい以外の何でもないだろう。
「うああぁッ、−−−ッ!」
青年の悲鳴は、やがて声にならない声に変わり、恐怖の色は徐々に濃くなっていく。
「♪どーぉしてそーんなにこわがーるのー・・・」
静かに、リズムに乗って言葉――歌を歌いだす怪しい男。
「ああぁッ!あーーッぁ」
大学内でこんなに悲鳴を上げているのに、誰も来ないとはどういうことだろう?
そして逃げ惑う青年は窓辺に追い詰められ、唯一の逃げ道、廊下へつながる扉は怪しい男の背後にある。という、絶望的な状況だ。
「ハァ、ハァ・・・」
悲鳴を上げすぎ、呼吸が荒くなった青年は、窓の外を見る。
暗くなった空に、うっすらと浮かぶ月は、綺麗な半円を描いていた。
「♪いっしょにあそぼうー・・・いっしょにあそぼー・・・いっしょに・・・」
男は突然ナタを振り上げ、狂気の色を目に宿らせ、青年をニヤリと見る。
――殺される!
ナタを振り下ろされ、ドーン・・・そんな終わりを予想した青年は、目を見開いて悲鳴を上げる。
「ああああぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!」
だが・・・
ひゅんひゅんひゅん・・・ヒュン・・・ドスッ!
男の振り上げたナタが青年に振り下ろされることはなく、鈍い音が部屋に響き渡る。
「・・・ッ」
男は、ナタを後ろに放り投げ、そのナタは部屋の壁に強くめり込んだのだ。
「♪いっしょにあそぼう・・・いっしょにおどろう・・・」
なお男は青年に近づいていき、左手に持っていたナイフまでを取り落とす。
「・・・?」
相手がなぜ凶器を捨てるのか分からない青年は、なぜか怖くなり、小刻みに震える。
「♪さぁ・・・ダーンスの・・・・・・はぁーじまぁーりだー・・・」

『はじまりだ』
その言葉を合図に、男の右手が青年の口を素早く押さえつける。
「ッんッ・・・」
そのまま左手で押さえられながらソファに投げられる。
仰向けでソファに倒れた青年は、ワケが分からないがなんとなく危ない雰囲気に、逃げ出そうとする。
だが、その首元に、いつのまに拾ったのか、ナイフを突きつける男。
「♪いっしょにおどろーう」
「ッッッ・・・あぁああああああああああああああああああ!!!!」

悲鳴を上げている間に、俺の服は全て脱がされ、部屋の中央においてあったストーブへと投げられる。
「♪きみは生贄・・・ぼくへの捧げ者・・・」
男はなお歌いながら、青年のちんこをもてあそぶ。
「なッ、ぁあっ、ん・・・」
全身の力が抜け、抵抗も出来ない。
そんな状況は、青年の頭の中をグチャグチャにかき乱した。

COPYRIGHT © 2009-2024 浩二. ALL RIGHTS RESERVED.

[作品の感想を閲覧する ・ 感想は投稿できません]