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タイト 1日目 中


記事No.64  -  投稿者 : TFN  -  2009/04/13(月)09:35  -  [編集]
 1年全員が30秒で締められるようになると、先輩たちは解けないかどうかチェックする。1年生は微妙な痛みを感じている。腰にがっちり食い込んだ紐と体の間には指一本はいらない。全員の確認が終わると彰洋が再び話を始める。昔の成人の年齢は15歳で、庶民は褌祝いと言う儀式をしたそうだ。大人になってはじめて褌を締めあげる儀式だ。それを助けてやるのは褌親という。
「よし、これで一人前の男になった、褌親に明日以降のことを教えてもらうように」
フンドシを締め上げると次は他人のものと間違えないように褌に名前を書くという。彰洋は黒マジックを用意させた。

 1年は名前など自分で書けばいいのにと訝っていたがすぐになぞが解けた。3年生が1列に並ぶ。まず副キャプテンが彰洋の前に進むと、彰洋は前袋にマジックの太い方で大きく名前を書いた。それから3年生が順番に名前を書いてもらう。中には書かれているあいだにふくらみを大きくしているものもいた。つぎに2年生も一列に並び、お願いしますと一言かけて書いてもらう。15分あまりか一年生は一人一人名前が書きあがっていくのを褌一つで眺めていた。そしてとうとう一年生の番だ。ここでは何のハプニングもなく、2年生同様にお願いしますと一言声をかけて前袋に名前を入れてもらった。書かれているときはモノにマジックのフェルトの感覚が伝わってくる。名前を書くためとはいえ、2枚の布を通してまるで弄ばれているようだ。1年生たちはくすぐったさとわきあがる快感とに顔がほころぶのを耐えていた。最後に彰洋は大樹を指名し前袋に名前を書くように言った。


 明日からの水泳についての諸注意がなされる。コースや緊急時の連絡などだ。万一があってはならないと詳細を極めていた。この海水浴場は湾になっていて2キロほど先の出口付近の小さな島までの往復がコースだ。さほど高い波は来ないのだが、いちおうのためOBたちがボートを5隻浮かべて監視に当たる。地元漁協にも話がつけてあり緊急時には援助してもらうことになっている。つねに2人一組のバディで泳ぎ、一方に不調があれば迅速にボートに連絡して救けを請うことなど確認された。日程は潮の満ち引きも考えて組まれ、低気圧が近づいたときは波打ち際で遊んでいるか近くの観光といくとのことだ。

「水褌に慣れるためにもきょうはフンドシ一丁で寝ろ。明日の朝食後に改めて締めなおす。あ、染みつくってもまずいからオナニーは禁止な」
ここで一年生の一人が手を上げて質問をした。
「ションベンのときはどうしたらいいですか?」
すると彰洋は「いい質問だ」といって質問した一年の前袋に横から手を入れると前袋をずらしモノを引っ張り出した。された方はいったい何が起こったのかわからなかったが、彰洋が
「これで終わったらまた元に戻せばいい」
といって元に戻し前袋を整えるとようやく己を取り戻した。ミーティングは散会になった。


 上級生たちが帰り大部屋には1年生だけが残った。みんなそれぞれに気がたかぶっていて褌を解いてお互いに締めるところを見せ合うことになった。お互いの締め方を見ていると締め方にもそれぞれ流儀があるようだ。口でくわえずに肩に乗せるものや首で抑えているものもいる。また締めるときねじっていないものもいる。彰洋は最後にあまった紐を両側の腰紐に何度もねじ込んだが、それほどにはねじ込まず、前で縛っているものもいた。あるいは全幅の褌をはじめから半分に折っているものもいた。ただ何度も仕込まれたからか誰一人ユルフンにならずキッチリと様になっていた。その中でも大樹は縄のように盛り上がる自分の褌が一番かっこいいと思っていた。お互いにそれぞれの締め方の良し悪しを評価している。ところで1年生たちはお互いの褌姿は見ていたが自分のものはまだ見ていないことに気づき、一人が発案して脱衣場の大きな鏡を見に行くことになった。


 脱衣場について大樹は息を飲んだ。彰洋の褌も他の先輩の褌も1年生の褌も一時間足らずの間だが目に焼きつくほどに見ていた。しかしここではじめて自らの褌姿に真正面から相対することなった。鏡に向かって前を向き横を向き後ろを向きながら自らの姿を見る。鏡に映る尻に食い込む綱も腰を締め上げる紐もそしてはちきれんばかりのモノを押さえ込む袋も、いずれもが彼に底知れぬ高揚感をもたらすのだった。彼も他の一年もただ鏡に見入っていた。先ほどの彰洋の言葉を「男になった」と言う言葉を噛み締めていた。膨れ上がった袋とそこからわずかにはみ出した黒いものと数ヶ月とはいえ水泳で鍛えた肉体は、まだ自らを小さな少年でしかないと思っていた彼に違和感を抱かせるに十分だった。ただその先があることを彼はまだ知らない。

 彼は鏡の前で勃起していた。いや1年の誰もが勃たせていた。中には指導に当たった褌親の勧めではじめから軽く勃たせて上向きにした上で締め込んだものもいた。いずれにしても彼らは前袋を大きく膨ませ、鏡にただただ見入っていた。「やべ、出ちゃいそうだ」一人が声を上げると、みな我に返った。そして膨れ上がる袋をなだめながら部屋に戻った。


 大樹が部屋に帰ると同室の部員から彰洋が部屋に来たことを告げられる。すぐに部屋に来るようにとのことだった。彰洋は顔もスタイルも競技の成績もいや頭の方も揃っているのにおくてな性格なのか彼女のかげもなく、1年の間ではホモではないかと噂されていた。学校は男子校のためか公認カップルが何組かいるし、部内でもその類の行為が全くないわけではなかった。「喰われんなよ」「いやキャプテンにだったら抱かれてもいいかも」などと無責任なはやし立てを聞きながら、大樹はジャージを着て彰洋の部屋に向かった。さすがに大樹も不安になって「尻に突っ込まれるとか男のモノをくわえるとか絶対ありえない」「もし何かされそうになったら大声出して殴り倒してでも逃げてやる」と意気込んでいた。


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