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小説の様な実話2
記事No.216 - 投稿者 : 憲太郎 - 2015/04/16(木)08:39 - [編集]
初めて陵介と会ったその日に、陵介を飯に誘った。
飯を食う時間も、ボーイのほとんどが金。デートコースなど、プレーはなくても料金が発生する。 それもわかってるから、延長料金を払おうとした。 陵介「ご馳走してもらうんだから、そんなわざわざ延長料金なんか払わなくて良いですよ。」 俺「食事に行くのも仕事だろ!」そうやり取りをしたが、陵介は延長を拒んだ。 結局は事実、延長料金を払わずして陵介と食事が出来た。 見た目とは異なる素朴さを感じながらも、所詮売り専の世界、全てが接客であり、金の世界だと言う疑いもある。 しかし、様々なボーイと遊んで来たが、陵介とは初回から連絡先の交換もしてるし、食事には食事代だけで金の絡みが初回から無い。それが陵介の作戦? そうとも思いながら、無償で飯に付き合ってくれたお礼に指名をした。飯だけなら店を通さなくても良いと陵介は言ってくれてたが、其所は俺も甘える訳には行かない。ちゃんと店を通し、そのままマッサージをさせる事をさせず食事に出掛けた。 陵介「飯だけならもったいないですよー!」 そう陵介は言ってくれたが、どんな事があっても客とボーイの関係には代わり無い。店を通す事をしないと陵介の立場も悪くなる。 陵介「でしたら、次の予約が入らない時間に予約して下さい。」 陵介はマッサージ、泊まりも出張も無い。実家からの通いで最終電車に乗る為、遅くとも午後11時半まで、午後10時がラスト受付だ。午後9時半に予約を入れればそのまま終わり帰れる。 そうやって何度か予約を入れて連れ出した。 俺はボーイをリピする為に、必ず飯を食う事をする。 しかし、まさかのマッサージボーイ。プレー無しのボーイを誘うとは。 ボーイだが他のボーイの様に高飛車では無い。飯を食う時も無邪気な少年の様にも思えた。 数回、飯を食うだけのリピをすると、陵介は出張が出来る様に頼んでみると言った。 そして、陵介は本来は店だけだが俺に限り出張を許された。 仕事の関係や面倒が掛からず済ませたい為に、わりと中心部に住んでた俺だが、出張と言う事で陵介と自宅で待ち合わせた。 その内に、学校に近い事もあり、泊まっても良いかと言う様になった。 その時に、陵介を犯してしまう事は幾らでも出来てたが、陵介は家庭事情など全てを話してくれてたし、マッサージの前に売り専ボーイだった事も話してくれてた。 売り専の辛さ、どうしても耐えれなくてマッサージになったと聞かされた。 本来はノンケ、家庭事情から学費の為に最初はゲイビに歳をごまかし高校生の時に出演。更に退学をした事にして17歳で売り専デビューし、18歳では高校在学してるのに更にゲイビに出演してる。両親の離婚に始まり、その後に母親に捨てられ、父親方の祖母に押し付けられた経緯がある。 出会った時には奨学金で専門学校に通ってた。しかし専門を極めるには更に金が必要だった。 陵介の無邪気な笑顔の裏には、とても辛く苦しい過去があった。 更に陵介を追い込んだのが祖母。ある日、陵介から直接連絡があった。 既に数回、全く店を通さず会う様になってた。卒業間際で陵介も試験などから店へスケジュールを提出して無かった。 陵介「俺は、愛が欲しい。」 俺「いきなりどうした?」 陵介は封筒を俺に手渡した。中には手紙が入ってた。 俺「読んで良いの?」 陵介「はい。」 手紙を読むとそれは祖母からの物だった。 其所に書かれてたのは、陵介と母親に宛てた物だった。 二十歳まで面倒は見たがもう勘弁して欲しい。もう面倒は見たくない。 そう、陵介は祖母からも捨てられた。 肉親とは思えない内容に絶句した。両親の離婚の原因、母親に捨てられ原因、確かに母親にも親らしき姿は無いが、父親も一切養育費すら払って無い。その為に陵介は母親に捨てられた。 父親、祖母から見れば息子、その息子を咎める事も無く、全て母親が悪い様にもその手紙に書かれてた。 陵介は帰る家も無い。 更に俺は絶句した。母親から金の催促だった。まだ学生でまともな働きもして無いのにだ。 俺「何だ、お前の家族は本当の親なのか?本当に肉親なのか?」 陵介「わかんないよー、ただどうしたら良いか、本当にわかんない。」 行き場を失った陵介の言葉は悲痛な叫びにも思えた。 そして陵介は転がり込む様に俺の所にやって来た。 COPYRIGHT © 2015-2024 憲太郎. ALL RIGHTS RESERVED.
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