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小説の様な実話10


記事No.223  -  投稿者 : 憲太郎  -  2015/05/19(火)08:07  -  [編集]
陵介と俺の距離は全く無かった。全てに於いて距離が無い。
恋愛的感情は無い。しかし親心と言うのか、陵介をこのままには出来ない。陵介も俺を親の様に扱って来る。
俺と居る時は幼い子供の姿。
しかし、陵介と心では深く結ばれては来たが、トラウマが強かった。
元々はノンケだ。金の為にゲイビ出演をし、金の為にウリセンに入った。男に対するトラウマもある。業務的には男に抱かれ、やられる事は出来ても、基本的にはノンケだけにハグ事態も抵抗を持ってた。
犯そう、やろうと言う気持ちでは無いのに、陵介はすごく抵抗をした。
しかし陵介自身、愛情を受けないままに育った。親子の絆も無い、業務として人に接するマナーはあるが、俺の前では幼い。
陵介が俺にして来る事は、誤解を招いても仕方ないくらいだ。
観光で山へ行く、坂道の途中で陵介は俺の手を握り、引っ張り始める。ドライブ中、陵介は俺の口へ直接運んでくれる。
全てそうだ。恋人同士でもしない様な事が常にある。
服を買いにショップに行けば、試着室に俺を呼び一緒にる。
何かにつけて一緒にを好む。
年齢差が親子にしてくれるが、ベタベタな恋人とも思われる。
送ってくれるが、職場前で俺を降ろす。迎えにも来てくれる。
職場では隠しきれない。義理の息子として職場には話をするようになった。
嫉妬も激しい。俺が飲みに出る事を嫌う。
陵介の知らない相手とは特にだ。更に陵介と年齢が近いと更に陵介は嫉妬をした。
陵介を息子として理解してくれる相手と、一緒に食事をしたりするようになった。
たまたま、ゲイ仲間と飲む機会があった。陵介も遅くなると言ってた。こちらもたまにはサウナでのんびりし、場合にはそのまま泊まって出勤と考えた。
陵介「先に家で待ってるから」
そうLINEの返信。
帰って来いとも良いとも言わない。しかし、そこには自分だけの俺と言ってる。
親を独占したい幼さがある。
俺に接して来る陵介は小学生と変わらない。
本来なら避けて通りたいだろう場所、ゲイビ出演してた時に撮影に使われたスタジオのある街へも出掛けた。
陵介「久しぶりに来た。でも、あんときは行って帰るだけだったから…」
ゲイビ業界では大手?となる会社、その撮影の為に何度か来てる。観てはいけないと思いながらも、陵介が気になり動画を取ったりDVDを購入してる。
俺の前に居る陵介とは別人の陵介がDVDに映し出される。
ギャップ、誰にでも素顔のギャップがあるが、陵介のギャップは激しい。映像の陵介はイケメン精一杯演じてる。俺の前に居る陵介は姿は二十歳を過ぎた青年だが、幼い子供の様にしか思えない。
おしゃれなカフェでちょっと休憩。グレープを頬張る。
俺「旨い?」
陵介「食べる?」
そう言うとグレープをナイフで切り、たっぷりクリームをつけてフォークに差し俺の口へ運んでくれた。
ふと周囲を見ると、友達同士の女子だったり男女のカップル。
俺なんかと居て陵介は平気なのかと思う。
ゲイじゃないと言った陵介。しかし陵介が俺にしてくれる事は、ゲイカップル以上な事。
小学生の子供が親にするような事が繰り広げられる。
周囲から見れば、親子にも見えるだろうし、場合にはゲイカップルに思うだろう。


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