新規投稿 一覧表示 評価順表示 過去ログ

小説の様な実話19


記事No.232  -  投稿者 : 憲太郎  -  2015/06/03(水)06:56  -  [編集]
陵介の幼さが感じられるLINEの内容。
自分の事はごまかそうとしてるのに、俺のごまかしは許さない。
特に、会う相手が陵介と年齢が変わらないと、俺を奪われると思うのか、幼さが現れ俺の自由を束縛する。
特別な関係でも無いのだが、陵介はすごく嫉妬をするのだ。
知人の息子を友達に紹介をする為に、一席設ける事になった。
友達の仕事が仕事だけに、知人の息子を紹介をしておきたかっただけの事だが、最初は行かないと言ってた陵介だが、突然に俺も行くと言い始めた。
陵介も友達の事は知ってる。ただ知人の息子の事は知らない。
友達に知人の息子を紹介をした時、陵介は俺の友達と面識がある為に、早速に自分の存在アピールが始まった。
幼い子供の行動と同じ、知らず知らず陵介は友達とも、ずいぶん前から知り合いの様に、知人の息子に対して見せて行く。
俺はお前よりこの二人を良く知ってるんだぞ!そう思わせる行動に出る。
愛されずに生まれ育った為に、愛を独り占めにしようとするのだ。急に子供の姿になり、俺の気持ちを常に陵介に向けさせる。
俺も職業柄、多少の心理学を得てる。また、俺自身の家庭にも問題があり、臨床心理士の先生と出会うまで、陵介と似た行動を取っていた。
俺自身、ずっと愛を求めて居た。陵介に出会った時に、自分自身の生き写しに思えたのだ。
陵介ほどの事はして無いが、ゲイビにも出たりもしてる。売り専はして無いが、ゲイバーでいつも見世物にもなってた。
注目を浴びてる時に、幸せの様なものを感じてた。
アダルトチルドレン、俺もそうだった。俺の取る行動は知らず知らず人を苦しめる事にもなってた。心理学を勉強しながら、恩師からカウンセリングを受けていた様なものだ。
ゲイだからゲイの世界に入ったのでは無い。寧ろバイと言った方が良い。今では女は面倒になったが全くダメでは無い。
俺の過去を振り返ると、正に陵介と同様な事をしてゲイの世界に入って来た。
愛が欲しいと言ってた俺から、愛する俺に変わった。
陵介に親にしてもらった気持ちもある。
こんな俺でも、子供の事で悩んだり、喜んだりする親の気持ちが分かり、子を持つ親との会話が、そうそう、あー良くわかる!と其までの自分と全く変わった。
子供の事を話してる会話が楽しくなってた。
それ過保護?だから良くない、そこまで良く言えるな!と思ってた会話が、そうそう、それそれと頷けるのだ。
いきなり二十歳を越えた子持ちの様になったが、全く他の親と変わらない会話に俺は身を置ける。
全く他人とは思えない程の生き写しの陵介、やはり俺は陵介の親を辞めれない。
さぁどうすれば良い?。
悩んだ、一生懸命に親で無い気持ちを盛り立たせようとするが、陵介の親の気持ちが強い。
陵介の気持ちを無視し、強引でも身体の関係には持ち込めるのも確か、従わせる事だって出来る。
そう言う親も居る。所謂虐待と言う事だ。
しかし、身体は立派な青年だが、精神は幼いままの陵介、俺の前で見せる陵介のありのままの姿は小学生の子供と変わらない。
友人の1人からアドバイスを受けた。
友人「本当に親代わりを続けて行けるの?」
俺「そうしたい。」
友人「もっと普通に養子にも出来る子はざらに居るよ。」
俺「陵介の親になりたいんだ」
友人「大丈夫?」
俺「陵介がいとおしくてたまらない。あいつの親になりたいんだ。」
友人「そっか、だったら呼んで一緒に生活しないとダメだよ。」
俺「そうだよね。」
友人「それが問題だよね。」
俺「そうだよ、今は意地を張ってるからな。」
友人「陵介君に捨てさせたら?一か八かの選択をさせる。」
俺「選択を?」
友人「愛が欲しいのか金が欲しいのかの選択。金が欲しいなら新しい相手を見つけさせるしか無いよね。」
俺「そうだ、これ以上はしてやれない。」
友人「陵介君が憲太郎の事を本気で親と思ってるなら、必ず愛を取るから。」
俺「あいつは棄てられて来た。だから俺はあいつを棄てたくは無い。」
友人「だから、陵介君に捨てさせたら良い。」
俺は陵介に友人のアドバイスを得て話をした。
俺「これ以上は金は出せない。しかし陵介が俺の所へ来てくれるなら、最低限の陵介の生活は支えてやれる。しっかり愛してやれる。陵介が無理をして頑張らなくても良いようにしてやれる。」
陵介「俺、甘えたらいけない、もう甘えたらいけないから。」
俺「今甘えなきゃいつ甘えれる。今までが真ん中、陵介が思うようにさせても来た。しかしそれで失敗をしてしまった。俺も親として失格だし、陵介も今のままではまた同じ事を繰り返すだろ。」
陵介「でも、囲われるんだろ。今のままではダメ?。」
俺「だからダメになった!。今までが逆に囲いだ。俺の金が無かったら生きて行けてたか?。愛人が金で囲われてるのと同じだ。」
陵介「でも…」
俺「金に動かされるな!陵介、どうしても今の生活を維持したいなら、新しい相手を探しなさい。どうしても居たいなら、また売りでも何でもして稼ぎなさい。俺は愛情はいくらでもやれる、しかし金はもう無い。どうしても其所に居たいなら俺を棄てなさい!。」
そう言った。
陵介からの連絡が途絶えた。
陵介を無視はして無いが、払えないものは払えない。部屋を引き払う手続きに入った。
陵介に何度もLINEはした。電話には出て来ない。
しばらくして「そっちに行く!」そうLINE返信があった。
しかしその返信だけで、また連絡が無い。
陵介は親や親族から捨てられたにしても、親は親だしおばあちゃんとは手紙を交わしてる。
おばあちゃんに手紙を書こう。
おばあちゃんに謝らなければならない。陵介を立派な大人に出来なかった。
陵介の態度がはっきりしない以上は、俺は責任を果たせない。
自分自身が限界であること告げようとペンを取った。
同時に陵介に、最後までお前を見てやれなくてごめん。陵介の態度がはっきりしない以上は、どうする事も出来ない。
だから、おばあちゃんに謝りの手紙を出す。
陵介にLINEをした。
突然、電話が鳴った。
陵介からの電話だった。
直ぐには出なかった。すると直ぐにLINEが入った。
「おばあちゃんには言わないで、行くから手紙を出さないで!」
おばあちゃんに対しても自分を作って来てた。
おばあちゃんに対しても、俺に対してやって来た事と似た事をしたのだろう。
だから、再び母親の元へ押し返させられた。行き場を失い、陵介は逃げ出し俺の所へ転がり込んだのだとわかった。
俺も行き詰まったら逃げ出してた。全く同じ事をする陵介だ。
わかる、痛いほどわかる。
愛されて育ってたら、こんな事にはなって無い。
そして今月1日、陵介はとりあえず俺の所へ来た。
話し合いをした。一緒に銭湯へも2日続けて行って来た。
不思議だ、ストレスから来るアレルギーで、陵介も俺も同じ皮膚炎だ。
全く同じ。


COPYRIGHT © 2015-2024 憲太郎. ALL RIGHTS RESERVED.