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ハイスクール・サック


記事No.290  -  投稿者 : 剛直  -  2021/12/17(金)12:47  -  [編集]
 シャワー室から出て体を拭いた十七、八歳の男子生徒たちが、素っ裸でふざけ合いながらこっちに近づいて来た。三年生ともなると慣れてしまって、大抵の者は前を隠さない。それどころか突き出した腰を左右に振りながら、大して立派でもないおちんちんを見せびらかして歩いて来るバカもいる。色気もかわいげもあったものではない。体だけはもう大人だが、中身はまだまだ子供だ。

 俺が腰かけている椅子の前に野球部の三人が立った。笑顔のさわやかなキャッチャーを挟んで、双子のピッチャーが立っている。どちらかが左投げの兄貴で、どちらかが右投げの弟だが、俺には見分けがつかない。この夏、わが校野球部が甲子園は逃したものの、初めて県大会決勝にまで勝ち進めたのは、この双子の兄弟のおかげと言っていい。地元のマスコミにも何度か取り上げられた。三人ともまだ坊主頭で、そろって包茎をぶらさげている。「お願いします」と頭を下げると、俺の指示を待つこともなく床に四つん這いになり、ぐっと尻を突き出した。誘うように腰を振って金玉をぶらつかせ、「早く入れてください!」「先生のぶっといのが欲しいっす!」などと口々におねだりする。からかっているつもりなのだ。「アホか」。俺はスイカの甘さを確かめるように三人の尻を叩いた。

 俺はこの春から使うことになった「指サック」に右の人差し指と中指を入れた。ゼラチンのように無色透明で軟らかいのに、一度も破れたことがない。まるで生きているかのようにピクピクした動きを二本の指に感じる。ひょっとしたら本当に生きているのかもしれない。あるいは細胞シートを加工したものだろうか。俺は一番右にいる兄貴か弟かの尻の穴にサックの尖端をあてがった。そしてゆっくりと、しかし確実に奥まで突っ込むと、サービスでちょっと指を中で動かした後、サックは中に残したまま二本の指を外に抜いた。入れられた兄貴か弟の「はあーっ」と切なげな声が聞こえる。

 残りの二人のケツにも同じようにすると、俺は三人に仰向けになるよう指示した。サックを挿入されると、意思にかかわりなく完全に勃起する。土から掘り出した根菜のような三本のペニスの先端からは、早くも透明な汁があふれて糸を引いている。双子のピッチャーの半ば皮をかぶったモノが同じ向きに曲がり、金玉の同じところにホクロがあるのには驚いた。父親のチンコも同じ向きに曲がり、金玉の同じところにホクロがあるに違いない。「ちゃんと皮むいて洗ったか」と聞くと、三人は口をそろえて「はい」と答え、嘘じゃないと示すかのように手で包皮をむいた。全員の亀頭があらわになったのを確かめると、さっきとは別の「指サック」を無色透明のコンドームよろしく、三本の勃起に根元までかぶせ、サービスでグッグッと二回ずつ握ってやった。サックは意思あるもののように、もぞもぞと動いて陰茎にピッタリと吸い付く。脚を開かせて手を尻の下に敷くよう指示し、ちゃんと菊門がサックをくわえ込んでいるのを確認すると、俺は椅子に付いているスイッチを押した。

 尻のサックがするすると中に完全に入り込み、固く大きくなって形を自在に変えながら突き上げたり、さすったりと大暴れしはじめる。生徒らは「あーっ」だの「ひーっ」だの「くおーっ」だのと悲鳴を上げてのたうち回るのだが、顔にはすでに恍惚の表情が浮かんでいる。ペニスにつけたサックも、若い勃起を激しくしごいたり、しゃぶったり、後ろのサックと呼応して絶妙の刺激を与える。一見さわやかなキャッチャー君が自分の指二本を口にくわえて、出し入れしはじめた。もう一方の手では親指で自分の乳首をこすっている。一体何を想像しているのやら。双子のピッチャーたちは示し合わせたように再び四つん這いになり、脚を開いて腰を激しく振り始めた。俺のほうに突き出した尻が前後に揺れ、合わせて金玉もぶらぶら揺れている。女とやっているつもりなのかもしれないが、目に見えない相手に後ろを掘らせているようでもある。二分間ほどこうした状態が続いた後、三本の若い尖端から、相次いで白い汁が噴き出した。双子の兄弟の菊門がヒクヒク、パクパクと痙攣しているのがはっきりと見える。白状すると俺はこのヒクヒクを見るのが大好きだ。野球部のヒーローたちがこのざまとは。ファンの女の子たちにはちょっと見せられない光景だ。

 射精が終わっても前のサックはしばらく動きを止めず、尿道内に残った精液まで残らず吸い取ろうとする。俺は双子に仰向けになるよう命じた。三本の勢いを失ったモノからサックを回収する。どういう仕組みなのか、精液はすべて透明のサックの内部に取り込まれ、ペニスに白いものは一滴も残っていない。後ろのサックは尻の中で溶けてしまうから、回収の必要はない。まだ恍惚からさめず、床にぐったりして余韻を楽しんでいる三人を立たせると、整列し「ありがとうございました」と一礼して、再びシャワー室に向かっていった。それを見届け、椅子に腰かけると、すぐに次の三本の包茎が目の前に並んだ。

 サックを使うことになったのは今年の四月からだ。前の年度までは、生徒に自分でコンドームをつけさせ、自分でしごかせていた。俺たち教職員の仕事は射精の瞬間を確認し、汁の入ったコンドームを受け取ることだった。イキそうになると生徒が大挙して押し寄せてきたものだ。今より手間がかからなかったとか、自然で風情があったとか言って懐かしがる教員仲間もいるが、この方法には難点があった。どうしても勃たない生徒がいるのだ。特に十六歳になったばかりの一年生はまだ恥ずかしい盛り。人に性器を見られるだけでも抵抗がある。人前でフルに勃起し、しごき、見せながらイクなんてとても無理という者が少なくない。自分のため、家族のため、ひいてはお国のためだと頭では分かっていても、体がどうしても反応してくれない。やむなくポルノを見せたり、教師が手で刺激してやったりしても、ますます萎縮して、ついには泣き出してしまうこともあった。少し前までは中学生だった、まだ子供なのだ。可哀そうになってくるが、やらせないわけにいかない。射精拒否を許せば生徒には退学、俺たちには解雇が待っている。何とか落ち着かせ、いろいろ手を尽くして射精させるのだが、正直言って面倒なうえに、自己嫌悪にもさいなまれた。

 サックを使い出して、この問題はあっさり解消した。後ろに入れたり、前にかぶせたりする手間は増えたが、どの生徒も後ろに入れられた途端、これ以上ないという勢いで勃起してくれる。生徒らにも大好評で、毎日搾り取られるのを楽しみにするようにさえなった。ねっとりと激しくしゃぶりついてくる前サックもいいが、何といっても後ろからの刺激が新鮮だった。男の体にこんな強烈な快感が潜んでいたとはと、みな目からうろこが落ちる思いだった。しかも、サックの刺激は日によって変化し、決して飽きることがない。今ではどんなに内気な生徒でも、嬉々として教師に裸の尻を突き出してくる。また、以前はなかなかイかない生徒がいて、本人も付き合わされる教師も大変だった。サックを使えば二分後には、必ず射精に至る。噴き出した汁は、前のサックが尿道に残っている分まで、きっちり吸い出してくれる。出る汁の量が心なしか以前より増えたようだ。菊門がヒクヒク、パクパクしている時間が、少しずつ長くなっているのだ。つまり、それだけ噴出に時間がかかっているということだ。フラ語教師の佐光は「汁がよく出るように品種改良されてるんじゃねえか」と言っている。

 サックに病みつきになっているのは実は生徒だけじゃない。俺たち二十代の若手教職員も同じことだ。放課後、生徒を閉め出して互いに汁を搾り合う。今日の俺の相手は、シャワー室でたまたま隣になった佐光だ。なかなか凛々しい顔立ちだが、色白で細身のインテリタイプ。日焼けしてガタイのいい俺とは対照的だ。イケメンだと評判の佐光に搾ってもらいたがる生徒は多い。俺は椅子に座った佐光の前に四つん這いになり、ぐっと尻を突き出した。サックをつけた佐光の白い二本指が入って来て、俺はぞくっとした。サックの効果だけとは思えない。奥まで入ると、つんつんと二回軽く突くような動きをしてから佐光の指が出て行き、俺は「はあーっ」と喜悦の声を漏らした。仰向けになり、我慢汁を垂らしているズル剥けの勃起に白い指でサックをかぶせてもらうとき、俺はまたぞくっとした。ひょっとして俺はこいつが好きなのか。スイッチが入ると、俺は佐光の意外に立派なモノに貫かれている自分を想像し、快感にのたうち回った。二分経って長い射精が終わり目を開けた時、こっちをじっと見ていたらしい佐光と目が合った。気がつくと俺は、正常位の女が男を受け入れるような格好で、佐光に菊門をさらしていた。もだえながらイクところも、後ろのヒクヒクも全部見られてしまった。俺は赤くなって、目をそらした。

 次は佐光の番だ。俺の太い指が入るとき、緊張しているのか、佐光の白い尻がちょっと震えているような気がした。規定にはないことだが、何度か指を出し入れしてやると、「あああっ」と佐光が軽くほえた。仰向けになった佐光の太ざおにサックをかぶせ、わしづかみにしてしごいてやると、「うあっ」とこらえかねたように、またほえた。必死に何かに耐えているように、目を閉じている。何だかかわいくて、キスしてやりたくなった。もっといじめてみたかったが、すでに限度を越えている。スイッチを入れると、佐光の全身に緊張が走り、浮かせた腰を盛んに上下に振り始めた。女を下から突いているつもりなのかもしれない。やがて、尖端から勢いよく白い汁がほとばしると、俺はすかさず椅子から下りて、脚の間をのぞき込み、ヒクヒクの一部始終を見届けた。出し切って、がっくりと腰を床に落とした佐光と目が合った。色白の顔が上気してほんのり赤くなっている。「どうだった」と聞くと、にっと笑って「良かった!」と一言、男らしく答えた。俺は、自分のケツの具合を言われた気がして、どぎまぎした。

 それから一週間ほど後、俺は軍の配達係と付き合い始めた。毎朝、新しいサックを学校に運んできて、午後、汁を取り込んだ使用済みのサックを回収するのが彼女の仕事だった。サックを使い始めてから、精液の量が増えたことは前に述べた通り。いっぱい出しても、次の日には満タンになっている。俺は平日はサック、休日は彼女相手に毎日たっぷりと出し続けた。そうして励んだ結果、一緒に住むようになって数か月後には、彼女のお腹が大きくなってきた。春休みに結婚式を挙げ、夏休みには元気な双子の男の子に恵まれた。改良版の精子で生まれた改良版の赤ちゃんたちだ。同じ夏休み、佐光がフランス人の大学教員と結婚した。フランス人というから白人だとばかり思い込んでいたが、結婚式で見た新婦は黒髪のアジアンビューティーだった。パリで生まれ育ったベトナム系フランス人だという。やがて彼らの間にも双子の男の子が生まれた。この後、子供たちは続々とやって来た。最終的に俺は五人、佐光は七人の子持ちになった。どちらも男の子が、女の子より一人多い。うちも佐光のところも、妻の勤務先の軍や大学の託児所・保育所を利用できたし、学校も病院もタダ、さらに子供手当や住宅手当がたっぷり出たから、子だくさんでも費用面で困ることはなかった。逆に、余裕ができたくらいだ。

 サックで汁を取られるのは、初めのうち十六から二十九歳の男と決まっていたが、次第に延長されて俺や佐光は三十三歳までお勤めを果たした。学校のある日は毎日搾り取られ、生徒たちから搾り取った。三十四の誕生日を迎えてお役御免になった時は、もうあの凄まじい快感を二度と味わえないのかと思って正直、喪失感に襲われた。いや、何とかなるかもしれない。出張先の街のポルノショップでサックの模造品を買い、ホテルで早速試してみた。だが駄目だった。あんなにスムーズにサックを受け入れていた尻が、模造品に対しては容易に門を開こうとしない。無理やり入れてもちっとも気持ちよくないし、痛くて変に動かすとケガをしそうだ。その後も何度か試したが、いつも惨憺たる結果に終わった。男娼も試してみた。若いときの佐光に似た、凛々しい顔立ちのボーイを指名した。後ろを丹念にほぐしてもらい何とか挿入にこぎつけたが、痛すぎて不覚にも泣き叫んでしまった。自分がみじめで、俺はとうとう後ろの快楽をあきらめた。

 一度、妻に回収したサックがどうなるのか聞いてみたことがある。しかし彼女の仕事は回収して軍の別の担当者に届けるところまでで、その先どうなるかは知らないという。最終的に連中の手に渡ることは確かなのだろうが、その方法は一般には知らされていない。あの戦争を戦争と言っていいのだろうか。ただこっちが一方的にやられていただけだ。世界中で数百万の若い男が目に見えない敵に襲われ、睾丸を切り取られて死んだ。その後、どうやって連中と交渉できたのかも分からない。たぶん向こうから、こっちに理解できる方法で接触してきたのだろう。反撃の手段がない以上、言いなりになるしかなかった。連中が殺すのをやめる代わり、こっちから進んで若い男の精液を差し出すことにしたのだ。向こうにとって悪い話ではない。殺してしまえばそれまでだが、生かしておけば長期にわたって搾り取れるのだから。

 大急ぎで精液を集める体制が整えられた。精液提供が進学や就職の条件になり、成績や給料にも影響した。拒めば退学や解雇を食らい、果ては施設に収容されて強制搾取される。夫婦が子供、特に男の子をもうければ多額の子供手当がもらえる。一方で子供のいない独身者は重税に苦しむことになった。

 政府は平和協力だとか、援助だとか、友好の証だとか思いつく限りの美辞麗句で糊塗しようとするが、要するに敵に負けて、賠償を若い男の体で払い続けているのだ。噂では、かしこき辺りでも若宮方が率先して尊い御種を搾らせ給ひ、菊の御門をヒクヒクさせておられるとか。我々ごときに拒否することができようか。やがてうちの息子たちが次々に高校に入り、十六歳の誕生日を迎えてサックの世話になるようになった。三十四になるまで、若い肉体を毎日のように犯され、それをむしろ喜びとして国への義務を勤勉に果たし続ける。孫も、ひ孫も、ひ孫の子も男の子は嬉々として、千代に八千代に精液を搾り取られるだろう。

 そもそも何のために連中が人間の精液を欲しがるのか、誰も知らない。「食うんじゃねえか」と佐光は言っていた。俺たちだってタラやフグの白子を喜んで食っている。人間の精液が連中にとっては珍味なのかもしれない。その佐光が最近、ぽっくり亡くなった。七人の子供を育て上げ、間もなく定年という時期のことだ。佐光のように早死にする人が最近増えている。もう若くなく、子育ても終わった男は用済みだとでもいうように。いつか佐光が言った「品種改良」という言葉が頭を離れない。あの尻の中に放置され、体内で溶けてしまうサックが怪しい。あれの作用で俺たちは精液の量が増え、早く結婚して、たくさんの男の子と、将来男の子を産む女の子をもうけ、子育てが終わったらさっさと死ぬよう「改良」されてしまったんじゃないだろうか。俺も最近、末っ子の娘が結婚して家を出た。もうじき佐光のように、ぽっくり死ぬのかもしれない。まあ、それでも幸せな人生だったとは思う。上の世代が知らなかった究極の快感を経験し、金の苦労もなく、良き伴侶と大勢の子供や孫に恵まれた。みんないい子たちだ。人生をサックの連中に乗っ取られたような気がしないでもないが、連中が来る前だって俺たちはカネやココロに振り回され、一生を棒に振り続けてきた。連中の家畜でいるのも同じようなものだ。


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