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夏祭り〜ある少年達の成長の記録〜G
記事No.313 - 投稿者 : アロエ - 2023/07/16(日)19:12 - [編集]
「明日、帰るんですよね……?」
絡み合う陽平へと、健史はポツリと問いを投げ掛けた。 夜が刻々と更けていく。この納屋に来て、もはやどれだけの時間が過ぎたのかも分からない。敷かれた畳の上で互いに生まれたままの姿となり、健史は淫猥な戯れとその愉悦に何もかもを忘れて耽溺していた。いっそこのまま時が止まってしまえばと、少年は心の底から願わずにはいられない。我が身を包むこの温もりが消えた時、きっと自分は堪らない寂しさに襲われるのだろう。 そしてそんな健史へと、陽平もまた優しくも情熱的な愛撫をもって応えてくれていた。 「君とせっかくこんな関係になれたのに、しばらくまたお別れだね」 寂しそうに呟き、少年の肩に口づけをしてくる。 「次は、いつ頃また戻ってくるんです?」 「どうだろ……秋頃になれば、一度また帰れるかもしれないけど」 「それでも、当分は会えませんよね」 明確な見通しが分からぬ以上、彼との逢瀬は今宵をもって一旦は終わりとなってしまう。それだけに健史はこの限られた時間の中で、今は少しでも陽平との甘美な思い出を記憶と身体に刻み込んでおきたかった。 彼の柔らかな唇を、愛おしげな眼差しと共に健史は求める。ファーストキスからこれで何度目なのかすら、もう定かではない。 「んっ……はぁっ……」 唇を重ね、そして啄み、舌と舌が絡められていく。余計な気負いなどはすでになく、ごく当たり前に少年は年上からの愛情と巧緻さに応えていた。その間にも彼の体躯へと手指を這わせ、火照った肌の上をゆっくりと滑らせていく。 「東さん、一回出したくらいじゃ、まだまだ物足りないでしょ?」 顔を上げて健史がそう口にした時には、相手の下半身へと手が触れていた。先程口の中で大量の精を放ったその男根は、少年の指に反応してまた勢いよく脈打ってきている。 そんな健史へと、陽平は不敵な笑みを浮かべてきた。 「君だって、まだ満足はしてないだろ?」 こちらの股間にも、お返しとばかりに右手が伸ばされてくる。 「あぁっ……」 陽平に弄られ、健史は自然と艶やかな喘ぎを洩らしてしまう。すでに今日は三度も果てている。それでも少年の旺盛な精力は、陽平との快楽にまるで底なしの状態となっていた。すぐにまた先走りが溢れ、新たな欲求が込み上がってくる。 「将来、こんな元気な君の彼女になる人は、なかなか大変そうだな」 からかいと感嘆を交えながら、陽平が言う。 (俺の……彼女……もし出来たとして、今よりもっと幸せな体験があるんだろか……) 自分は女をまだ知らない。そして今夜の行為は、あくまでもその予行練習でしかないのだろう。だがすでに陽平という存在で満ち足りている健史には、ここからさらに誰かと大人の階段を登る未来を、いまいち想像する事が出来なかった。 「どうかした?」 健史の顔色に、陽平が怪訝そうに問うてくる。 「東さんは女の人と、初めてしたのはいつですか?」 健史はそんな相手へ、気付くと質問を投げ返していた。下世話な好奇心からではない。同じ男として、そして男としての自信をつけて貰えたからこそ、自らの指針として彼の遍歴を知っておきたかった。 「最初は、十七歳の時だったかな」 はぐらかす様子もなく、陽平はどこか遠い目をしながらそう答えてくる。 「相手はクラスメートとか?」 「俺の事、随分と知りたがるね」 「やっぱ気になりますよ。東さんモテモテだったでしょ?」 健史の言葉に、陽平が苦笑を洩らす。 「確か相手の人は、あの時二十七歳だったかな」 「えっ、マジですか?」 予想外の年齢を耳にし、健史は思わず驚きの声を上げてしまう。 「怪我しただろ?その時に通ってた、病院のリハビリの先生だった」 「………」 「あの時の俺は、サッカーになかなか復帰が叶わなくて、鬱々としてた時期でね。その女の先生はリハビリの訓練以外でも、色々と親身に俺の相談に乗ってくれたんだ」 包み隠さず、陽平は詳細を伝えてくる。 「それで……そのまま、そういう関係に?」 健史へと、静かに頷きが返された。 高校生と大人の女性の関係。本当にそんな事があるのかと、健史は初心な少年の心にまた逆戻りして、相手からの言葉とそこからの想像にドキドキさせられてしまう。 「最初はダメ元で、俺の方から告白したんだ。そこから一気に、ね……まぁ向こうからしたら、それで少しは元気になればと、慰めのつもりだったのかもしれないけど」 「すげぇ」 「噂じゃ、もう今は他の人と結婚したらしいけど。でもその経験を機に、一時期はかなり色々とやらかしちゃったかな。それまでのめり込んでいたサッカーから離されて、多少自棄になってた事もあってね」 「………」 「正直、あの時の俺にはただヤル相手が何人もいただけで、結局恋人と呼べる相手は一人も作れなかったよ。あんな性根で誰かと付き合っても、長続きする訳がなかったんだ」 陽平にとってそれは自慢話などではなく、愚かな過去の自分を悔いるかの様でもあった。追い求めていた希望を失い、目先の欲望を貪り現実から逃避してもなお、彼は何も満たされはしなかったのだろう。 「もちろん、さすがに今はもうそんな憂さ晴らし的な事で、女漁りなんかはしちゃいないよ」 一転して暗い表情となる健史へと、陽平は案ずるなとばかりに言葉を付け足してきた。そしてもうこんな話は終わりにしようとばかりに、少年の身体へまた濃密な愛撫を繰り広げていく。 「んっ……あっ……」 かつての女性達も、こうして陽平に抱かれていたのだろうか。性感の疼きに身体を震わせながら、健史はそんな思いを巡らせていく。当然それを自分は目にしてはいない。だがそれでもかつての交際者達に対し、健史は優越感を抱かずにはいられなかった。きっと荒んでいた頃の陽平からは、これ程の愛情を注がれた者はいなかったであろう。肉体的な快楽以上に、心はこの上ない至福に浸されていく。 (俺だって……東さんを、もっと満足させたい……) 優しくこちらを愛でる一方で、彼の欲望はなおも猛々しく跳ねていた。雄としての勇ましい陽平の姿にも、健史の胸は躍らされていく。蕩けるような絡み合いをいつまでも続けていたかった。だが同時に例えそれがどれだけ獰猛であろうとも、陽平の内なる本能を正面から受け止めてみたい。そんな気持ちもまた、少年の中でいつしか高まってくる。 「セックスって……やっぱり、その……中に入れるって事をするんですよね……?」 やがてそう、健史は陽平へと語り掛けていた。何を今さら幼稚な事を聞いているのかと、自分で言いながら少し恥ずかしくなってきてしまう。 「まぁそうだね」 「………」 「健史君?」 「その……男同士の場合だと……そういうのって、お尻に入れるんでしょ……?」 意を決して、健史はその事実を確認する。 こちらの意図を察したのか、相手の表情が神妙なものへと変化していく。そして少年へと、陽平は無言のまま頷いてきた。 「東さん……俺……そういうのも、大丈夫ですから……」 覚悟を口にするも、やはり声はどこか上擦ってしまう。 だが当然ながら、陽平の反応は芳しくはなかった。むしろこちらへと、心配する様な瞳を向けてくる。 「君とこうして、今は好きなだけ気持ちいい事を出来ているんだ。そんな事しなくても、俺に不満なんかは全然ないよ」 それは決して、こちらに対する気休めの言葉などではないのであろう。それでもなお、健史の意志が揺らぐ事はなかった。 「でもしたくない……て、訳でもないんでしょ……?」 「………」 「俺は……試してみたい……」 改めて、健史は相手の剛直へと指を添わせた。案の定、彼の理性は下半身にまで及んではいなかった。こちらからの言葉に、脈動はより激しくなっていく。 「健史君の中に、これが入るんだよ?」 それでもいいのかと、陽平が問うてくる。生優しい行為でない事は、その隆々たる存在が十分に物語っていた。 「分かってます……」 「怖くはない?」 「はい……俺……東さんと、何もかもを経験したいんです……」 ありのままの気持ちであった。浅はかな好奇心からではない。陽平の何もかもが欲しかった。そして自分の何もかもを、彼に捧げたいのだ。今宵限りだからこそ、健史は明日に悔いを残したくはなかった。 すると陽平は、静かに身体を起こしてくる。そして畳に横たわる健史の膝裏に手を潜らせてきた。足を持ち上げながら、ゆっくりと開脚させていく。 上向きとなって広げられる臀部から、隠れていた蕾が露わにされる。そこに陽平の眼差しが注がれる。その目は、少年の求めに仕方なくといったものではなかった。健史は心を乱す事なく、相手の行動に今はただ身を委ねる。 「いいんだね?」 陽平が最後に問う。 そんな相手をしっかりと見つめながら、健史は迷いのない頷きを返した。 「力を抜け、大丈夫だ」 横に位置する高宮が、緊張の面持ちとなる少年へ穏やかに言葉を掛けてくる。 地面にて、慎一は四つん這いの姿勢となっていた。そして後ろから、幼馴染の翔がこちらの両足を跨ぎ、膝立ちでその身を迫らせてきている。二人はすでに地下足袋を残し、何らその身体に纏うものがなくなっていた。突き出す臀部は、翔へとその開口部を無防備に晒している。本来なら見たくもなかったであろうそんな慎一の部位に、幼馴染の瞳は釘付けとなっていた。そしてその緩んだ蕾へと、膨張した亀頭が押し当てられる。 振り向かずとも、熱いその感触が鮮明に伝わってきた。加速する鼓動に呼吸が苦しくなっていく。だがそれは翔も同じなのであろう。彼もまた息を荒くさせながら、己の存在を握り締めこちらに狙いを定めてきている。 「翔、焦らずにゆっくりと、押し込んでいくんだ」 「はい……」 か細い声で翔が答えた。だがその固い表情や声とは裏腹に、十六歳の下半身はいよいよ勢いを誇示させていく。彼にとって待ち望むその時が、後一歩のところにまできているのだ。例えその相手が男であろうとも、もはや後戻りなど出来る訳がない。そして高宮の言葉を受け、彼もついに意を決した様子であった。こちらへと密着する亀頭が、徐々に圧力を加えていく。 慎一は瞼を閉じて大きく息を吸い、そしてゆっくりと吐き出した。 これに合わせて、翔の背中へと高宮が手を添える。そのまま前のめりに身体を傾けるよう促してきた。慎一へとさらに相手の体重が覆い被さってくる。 すでに指でほぐされていたその入り口が、今度はより激情を激らせた塊により、無慈悲にも押し広げられていく。 「んんぅっ……!」 四つん這いのまま、慎一は大きく頭を反り上げた。朽ちた屋根の隙間から、そんな二人の交接を星々が見下ろしている。まだ女を知らない少年の欲望が、内壁を掻き分けて同性の中へと挿入されていく。昨夜まで無邪気に接してきた友人に、自分は犯されているのだ。 だが慎一の発する苦悶の喘ぎに、翔の動きがピタリと止まる。すでに彼のペニスは、半分程までが肛門の中へ埋められていた。 「そのまま、続けろ」 躊躇う必要はないとばかりに、高宮が言ってくる。だが男は決して非情な命令をするだけではなかった。強張りながら小刻みに震える慎一の身体に対し、横から伸ばした手で優しく愛撫を加えていく。汗を滲ませた少年の肌へ、高宮の手指が滑らかに這わされる。 「あぁっ……」 挿入にただ耐えるだけだった慎一の身体に、また性感が湧き起こる。だがそれは高宮からの刺激だけではない。幼馴染の欲情を体内で受け止めながら、しだいに拡張された内壁がまた熱くなっていく。緊張や不安とはまた違う心音の高鳴りに、自分がこの状況においてもなお興奮している事を、慎一は悟らされた。 (僕は……翔は……どうなっちゃうんだ……) 括約筋が締め付ける中で、翔のペニスはより漲っていく。もはや先程までの射精とは比べ物にならない快感を彼が味わっている事が、その逸る脈動から窺い知る事が出来た。 「ご、ごめん……慎一……」 再び翔が腰を突き動かす。さらに奥へと、己の一物を押し込んでいく。 「あっ……くぅっ……あぁぁっ……」 高宮による指の前戯がいかに繊細であったのかを、慎一は今になって思い知らされる。荒々しく身体を貫かれるかの様な恐怖。だがその一方で、翔と繋がり合っていくという事実は、少年の心と身体をより昂ぶらせるものとなっていた。 「どうだ?翔のチンポが今、お前の中にしっかりと入ったぞ」 幼馴染の男根が、慎一へ完全に挿入された形となる。裂傷の痛みを免れはしたものの、腹部にまで響く重だるい感覚が渦巻いていた。 「お前も立派にこれで童貞を卒業だな。しかも慎一のケツ処女を奪ってのものだ」 翔に向けても、どこか皮肉めいた口ぶりで高宮が褒め称える。 「高宮さん……」 「後はお前のしたいように、このまま最後までやってみろ」 少年の欲望に、高宮は全てを委ねさせた。 だが最初の挿入時よりも、幼馴染の様相は複雑な心境を滲ませていく。自分のために慎一がどれ程の忍従を強いられているのか、翔とて十分に感じ取っているのだろう。受け手にとって、ここからがさらなる試練の時であった。 「でも……慎一が……」 そんな友人の微かな躊躇いに対し、高宮は嘲笑う様な眼差しを向ける。 「入れただけで、もう満足か?」 「………」 「だったらそのまま、慎一から引き抜いて終わればいい」 翔に選択の余地を与えるも、ここに至って少年の理性などもはや完全に無力化している事を、男は見透かしていた。 「慎一、お前もこれ以上は、勘弁して欲しいか?」 すかさずこちらへも、男の狡猾な問いが投げ掛けられる。自分達は一蓮托生なのだと、それは暗に示唆するものであった。 (もう……引き返す事なんか……真由を裏切ってまで、翔は僕と……) 背後の相手へと、肩で息をしながら慎一は何とか顔を振り向ける。彼にだけ、この背徳に塗れた罪を背負わせる訳にはいかない。自分を気遣ってくれる余裕がまだ幼馴染の中にあっただけでも、慎一にとって今は十分であった。 「翔……ぼ、僕は……大丈夫だから……」 これは自分が望んだ事なのだと、相手にだけでなく慎一は自らにも言い聞かせる。 泣きそうな顔で、翔がこちらを見ていた。だがその鎮痛な面持ちとは別に、彼の身体はもはや肉欲の虜と化している。これ以上は限界だとばかりに腰がまた動き始め、咥えさせたペニスを慎一の内壁に擦りつけていく。 「へへ、こんな健気な友達を持てて、お前も幸せだな」 高宮が満足そうに、そんな二人の結合を眺めていた。 「許して……俺……我慢出来ない……」 急速に翔の腰遣いが激しさを増していく。打ちつけられるその乾いた音と圧力に合わせ、慎一の身体もまた大きく揺らされる。 「んんぅっ……んぁぁっ……!」 するとそんな慎一の胴体へ、高宮が抱き支える様に腕を回してきた。 「さっきの気持ちよかったとこに、しっかりと当ててもらえ」 上半身をグイッと引き上げられ、翔へと向けていた腰の角度も変化する。 その瞬間、今までとは違う部位に相手の亀頭が勢いよく食い込む。 「っ……!」 目の前で火花が散る様な衝撃が走る。高宮からの刺激を思い出す。今度はそこに、荒々しい雄の精力が突き上げてくる。強烈な性感の波が慎一を襲い、思考は呆気なく呑み込まれてしまう。 「はぁっ……んっ……あぁぁっ……翔……!」 「慎一……気持ちいい……マジで、堪んない……」 力強い腰のピストンを繰り返しながら、翔はそんな相手の背中へと顔を沈めてきた。もはや内なる衝動を制御出来なくなった幼馴染は、慎一を快楽のままに犯しながら、無我夢中でその肌をも貪っていく。自分の何もかもを相手は欲していた。 「ひっ……あっ……うぅあっ……」 蹂躙されながら、慎一のペニスはその間も弾けんばかりに勃起し続ける。自分でもこの感覚の意味が分からぬまま、ただ圧倒的な翔の欲望に翻弄されていた。それでもきっとこの光景を見ている高宮の目には、翔と一緒に痴れ狂っている姿として映っている事であろう。 「もうだめ……はぁっ……い、イクッ……出ちゃう……あぁっ……!」 泣き叫ぶ様な声で翔は訴えるや、より大きく慎一の前立腺へ剛直を打ち込んできた。 頭の中が真っ白になる。それは稲妻のごとく身体の内を走り抜け、犯される少年を激しく痙攣させた。四肢はもはや体幹を支える事も出来なくなり、地面へと顔を突っ伏してしまう。 そしてそんな慎一の中で、ついに翔は欲望を爆発させるのだった。 「あっ……んっ……んぁぁっ……」 仰向けの状態で両膝を立て、陽平へとあられもなく開脚した姿となっていた。だが恥ずかしさなどを抱く余裕はもう今の健史にはない。曝け出された肛門には、突き立てられた中指と人差し指が、深々と埋められていた。 身悶えする健史を注意深く観察しながら、陽平は彼の体内で慎重に指の抽挿を繰り返していく。刺激で内壁が強く収縮してくるも、陽平は決して焦らずに、少年の繊細な身体を丹念に慣らし続けていた。 「うっ……んぅぅっ……」 奥で食い込んでくる二本の指の感覚に、健史の身体はしだいに震えを著明にさせていく。相手の体温以上に、内側が熱くなってくる。 「痛くない?」 「だ、大丈夫です……」 身体の中を抉られる様な体験は、最初こそ総毛立つものがあった。だがそれは痛みとはまるで違うものだ。陽平の指が大胆に動かされるにつれ、重厚な響きが肛門の奥から身体の芯へと広がっていく。 「健史君……ごめん……」 やがて陽平は、ポツリと呟く様に言葉を洩らす。そしてその直後、いつ終わるとも知れなかった彼の指が、少年から静かに引き抜かれていく。 「えっ……?」 こちらへと向けられる青年の瞳が、鋭く光っていた。まるで今にも襲い掛からんばかりに、その呼吸も荒くさせている。それは今までの陽平とは明らかに違う姿であった。 「俺……もう限界だよ……これ以上……君に優しくなんか、出来ない……」 「東さん……」 緩んだその蕾へと、欲望を噴出させんばかりとなった亀頭が、グッと押し当てられてくる。 ついに自分は犯されるのだ。健史はその事を実感させられる。だが未知への恐怖はあれど、自分は怯えてはいない。すでに十分に刺激を与えられたアナルの奥からは、陽平の欲望とさらなる蹂躙を求めるかのごとく、沸々と熱い疼きが湧き起こってきていた。 (もう……優しくなんかされなくてもいい……どんなに滅茶苦茶にされたって、俺は……) きっとこれが別人による陵辱であったならば、自分は泣き叫んで許しを乞うていたであろう。だが今はむしろ心が逸る。この身を捧げる相手を自分は見誤っていなかった事を、健史はここに至って確信する事が出来た。 「このまま、入れるよ?」 「はい……」 健史は自分から、脚をさらに広げていく。 そのまま陽平が腰を突き動かしてきた。従順な少年の蕾を、己の張り詰めた亀頭でゆっくりと押し広げていく。 「あぁっ……!」 さらに相手が体重を乗せてくる。ほぐされた肛門へと、硬い幹が沈められていく。拡張された内壁と擦れ合う。それは激痛というよりも、鋭い痺れの様な感覚となって健史の身体を駆け巡る。 それでも陽平はさらに腰を動かして、少年の奥深くまで一気に挿入を進めてきた。 「んんぅっ……はぁっ……」 排泄口からの逆流してくる異物感と圧迫。健史は苦悶に顔を歪めながらもそれに耐え、全身が汗塗れになりながら、ついに陽平の男根を根元まで受け入れる。もしこの光景を見る者がいたならば、きっとあまりにおぞましく非道な有様として映るであろう。だが今この瞬間において、陽平と一つになっているのだという事実に、健史の心は打ち震えていた。 「健史君……すごく、いい……もうホントにどうにかなりそうだ……」 括約筋が相手のペニスを締め付ける。彼の熱い脈動が、いっそう鮮明に体内で感じさせられた。冷静に自分を指導してくれた陽平が、今やその端正な相貌は恍惚に満ち、欲情のままに身体を動かしていく。 「あっ……あっ……んんっ……あぁぁっ……!」 声を抑える事など出来なかった。男の欲望が、何度も奥へと打ちつけられていく。強烈な刺激によって掻き立てられる性感は、健史にとってまさに生まれて初めて知るものであった。もはやそれが快感なのか判別する思考すら奪われ、意識すら失神寸前の様に薄らいでいく。それでも止まぬ陽平からの荒々しい腰遣いに、少年はどこか歓喜にも似た叫びを今はひたすら上げ続けるのだった。 COPYRIGHT © 2023-2024 アロエ. 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作者 アロエ さんのコメント 暑さが続きますが皆さん無理のないよう乗り切りましょう。
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