新規投稿 一覧表示 評価順表示 過去ログ

夏祭り〜ある少年達の成長の記録〜H


記事No.314  -  投稿者 : アロエ  -  2023/07/29(土)21:45  -  [編集]
「あっ……くっ……んんっ……!」
 不覚にも境内裏の森へと連れ込まれた若者に、男のいきり立つ男根が有無を言わさず、その慰めを求めてくる。
 まだ日も高い時刻。表の境内からは、人々の賑やかな声が聞こえていた。普段は閑散としている神社は、年に一度の祭礼を明日に控え、地元の者達が大勢集まっている。昨夜帰省した陽平も、そんな祭りの準備に駆り出されていたのだが、今はもうそれどころではない。夏の日差しを浴びる木々の下で、青年の荒い吐息と喘ぎが発せられていく。
 前のめりに上半身を傾け、正面に立つ木の幹で陽平は何とか姿勢を支えていた。そして背後に突き出させられた腰は、男によって両端をしっかりと掴まれている。ズボンと下着はすでに膝まで引き下ろされ、露わとなる開口部が相手の欲望に押し広げられていく。
「チンポに吸い付いてきやがる。こいつが待ち遠しくて、堪らなかったのか?」
「んんぁっ……」
 熱い塊が、さらに奥深くを蹂躙する。端正な様相が苦悶に歪む。だがその一方で、女性との交わりでは決して得る事の出来ない快感の記憶もまた、久しくこの土地から離れていた青年の中で鮮明なものとなっていた。
「ケツだけは許してくれって、泣きベソかいて言ってた頃が懐かしいな。どうなんだ?向こうでもチンポが恋しくて、男にケツ向けながらおねだりしてるのか?」
 嘲笑う様な中岡の言葉が、過去の記憶をともなって陽平の心を抉ってくる。自分の初めては、何もかもこの男によって奪われたのだ。
「俺を……見くびらないでください……」
 全ての元凶でもある相手へ、陽平は恨めしげに呟いた。だが悔しくも、それ以上の言葉を返す事が出来ない。大学に進学してこの土地を離れて以来、自分は失ったものの大きさを痛感する事となった。好奇心から、いわゆるハッテン場に足を運んでしまった事もある。だがそれは本当に、一時の気の迷いでしかなかった。
「確かに、お前がそんな安っぽい身体になってたなら、俺だってこんな興奮はしちゃいないさ」
「あぁっ……!」
 男の腰遣いが激しくなっていく。陽平は堪らず、大きく背筋を仰け反らせた。肛門の奥で掻き立てられる性感に、自身のペニスもまた欲望をさらに激らせていく。もはや嘆く事すら叶わない。どれだけプライドを踏み躙られようと、男からの責め立てに身体は悦びを露わにさせてしまう。
 犯されながらも淫猥さを漂わせるそんな青年の姿に、中岡が満足気な笑みを浮かべていた。
「だけどもお前も、もう二十歳になったのか。早いもんだ。そろそろ『教育』を受ける側から、教える側になってもいい頃だな」
 翻弄される陽平は、男からの言葉にハッと息を呑む。
「まだ……そんな事を、続ける気ですか……いくら習わしだからって……こんなの……今はもうただの犯罪でしかないんですよ……」
 それは本気の忠告であった。世間がこんな有り様を許容する訳がない。初めて神輿を担いだあの夜、自分を取り巻く世界は一変してしまったのだ。
「俺に言ったところで、しょうがないだろ」
「………」
「たまたま、最初の相手が俺だった。それだけの事だ」
 悪びれる様子もなく、中岡は言ってくる。
「それにお前だって、悪い思い出ばかりじゃないだろ?前に高宮さんからも聞いたぞ。最初は嫌がってても、ケツ掘られながら何度もイキまくって、最後は潮まで噴いてたそうじゃないか」
 まるで悪意がないだけに、タチが悪い。自分が何を言ったところで無駄なのだろうと、陽平は諦めざるを得ない。
(何が習わしだ……みんな俺ばっかり狙いやがって……都合のいい事言ってても、結局は見てくれで相手を選んでたんだろ……)
 男になるための『指導』は、あれからも中岡だけでなく、陽平は何人もの年長者達から受ける事となった。だが彼らにとってそれは、昔から続く当たり前の通過儀礼なのだ。習わしの名の下にこの身体を貪ってきた者達は、確かに皆それなりの教師でもあった。繰り返される恥辱と引き換えに、抗えぬ悦楽は十代の肉体を深く耽溺させるに至ったのだ。そして図らずも男として磨かれた自分は、その後数々の異性とも関係を持つ自信を得た。まさしくそれは、子孫繁栄を願うかつての村社会にとって、重要な若者への教育であったのだろう。
(ここに生まれていなければ……俺の人生は、もっとつまらないものになってたんだろうか……それとも……)
 こんな故郷とは縁を切る事も出来たのだ。だが陽平は、今年もこの土地に戻ってきている。男のされるがままとなり、今もまた身体は欲情を剥き出しにさせていく。
「倅が、今年は神輿を担ぐ歳になった」
 不意に放たれた中岡の言葉が、そんな青年の理性を呼び戻す。
(健史君……)
 彼も今年から高校生だ。中学を卒業したこの土地の男子は、祭りに参加して神輿を担ぐのが通例である。そしてその日を境に、彼らは大人として扱われるのだ。きっとその意味を、健史や他の幼馴染達もまだ知る由もないであろう。
「出来れば、お前にあいつを任せたい」
 一転して彼の父親は、神妙な面持ちで言ってきた。
 自分に何を求められているのか、陽平の表情は一気に険しくなる。成長した自分もまたこの土地の一員である事実を、中岡は突きつけてきた。
「そんな……健史君にまで……本気ですか……」
「正気の沙汰じゃないと思うなら、子供が産まれた時にさっさとここから出て行ったさ」
「………」
「お前だって、律儀に祭りの日に帰ってきたのは、この土地と決別する気はないからだろ?」
「それは……」
 陽平は言葉を詰まらせてしまう。
 だがそんな青年の返答を待つよりも先に、中岡がシャツをたくし上げてきた。露わとなる胸肌に手が回され、充血し尖った乳首を巧みに弄ってくる。
「んっ……あっ……んんっ……」
 さらにまた腰で突き攻められていく。この快感が忘れられないのだろと、彼の愛撫と容赦のない刺激が語り掛けていた。
「それなら、頼みを変えよう」
 悩ましげにその身をくねらせる陽平へ、中岡が言葉を続ける。
「お前が、健史を守ってやってくれ」
「えっ……」
「他の連中が手を出さないよう、あいつのそばに居てやってくれないか?」
「………」
 それは我が子に対する本気の願いなのか、こちらの罪悪感を和らげるための詭弁でしかないのか、陽平には判別出来なかった。自分が何もしなければ、今年もまたあの習わしが健史にも待っているのだ。無論、祭りが終われば自分も下宿先へ帰らねばならない。彼を守れるとしても、それはほんのわずかな間であった。例え祭りの無礼講を逃そうと、あの愛くるしい少年に対し『指導』を狙っている人間は、きっと少なくないはずだ。
(俺が……健史君に、出来る事……)
 陽平の中で、何かが囁く。それがここの習わしなのだと。この土地に生まれた者として、自分もまたその血には逆らえないのであろうか。
「若い奴らはどんどん減っている。どの道、こんな伝統も遠からず廃れるだろう。だけどもこういう事を知ってしまった以上は、お前だって他人事じゃないんだ」
 こちらの身体へと言い聞かせる様に、中岡の欲望がその勢いを加速させていく。いつもならもっとじっくりと、こちらの身体を堪能する彼であったが、祭りの準備を抜け出しての逢瀬である。あまり長くここで時間を費やす訳にはいかないのであろう。
「はぁっ……んっ……うぅあっ……!」
 内部から押し上げられるその衝撃で、陽平のペニスからも白濁が噴出していた。ただの射精とは異なり、相手の剛直が奥へと打ち突けられるたびに、絶頂の感覚が陽平を次々に襲う。聡明な青年の理性は完全に吹き飛ばされていた。どれだけ己を取り繕うとも、ここへ帰ってきたのは自らの意思であったのだ。そしてこれから担う新たな役目を、明日に控えた祭りを前に、陽平は中岡から最後に教えられるのだった。


「あっ……あぁぁっ……んっ……んんぅっ……!」
 前立腺を何度も突き上げられ、その初めて知らされる強烈な感覚に健史はよがり狂う。
 欲望のままに、陽平は夢中で腰を動かしていた。そして覆い被さる少年の肌を、存分に貪っていく。挿入されたペニスが、締め付ける肉壁と激しく擦れ合う。清らかだったその身を穢しながら、青年もまた叫びたい程の快感に包まれていく。かつて初めて『指導』を受けたこの納屋の中で、自分は彼の息子を犯しているのだ。
(結局……俺もこんな事を……)
 意趣返しのつもりはない。だがそれでも健史の身体を意のままに蹂躙し、かつて中岡が自分にしてきた事を継承する形となっていた。少年の全てを奪い尽くす征服感は、陽平の感情を高揚させるばかりとなり、年長者として得られた特権とその享受に陽平は酔い痴れる。
「イクッ……健史君……!」
 やがて限界に達した青年が、健史の中で欲望を迸らせた。一度果てたにも関わらず、熱い精が止めどなく噴き出してきてしまう。だが陽平は、最後の一滴までこの少年へと注ぎ込みたかった。
(ついに俺……健史君と……)
 少年から望んできた事だ。だがそれを言い訳になど出来ない。結局は己の中の誘惑に負けてしまったのだ。快楽を求め、ひたすらに健史を犯した事実に変わりはない。
 そして全てを吐き出したペニスを、少年から慎重に引き抜く。
 緩みきったその開口から、放ったばかりの白濁が溢れ出してくる。痛々しい光景でもあった。だが幸い、出血はなさそうである。それを確かめ陽平は安堵した。
「よく頑張ったね……本当に、最高の気分だ……」
 ぐったりとする健史の身体を、陽平はギュッと抱き締める。決して綺麗事を口にしているのではない。事後もなお冷めやらぬ情熱を、抱擁をもって健史に伝えたかった。
「東さん……」
 やがて少年もまた、こちらへと両腕を回してくる。
「大丈夫?」
「はい……俺も、ちゃんと最後まで出来て……嬉しいです……」
 疲弊しきった表情ながら、こちらへと向けられるその潤んだ瞳は、男として耐え抜いた喜びに満ちたものであった。本当にこの少年は自分を愛してくれているのだと、陽平は改めて確信させられる。冷静さを取り戻した心に、欲情とはまた違う愛おしさが込み上がってきていた。
「健史君……」
 彼へと顔を近付けていく。
 ごく自然に、相手も瞼を閉じてきた。あれ程の荒々しさに晒されてもなお、少年は何ら怯えを見せる様子はない。
 優しく健史の髪を撫でながら、陽平は唇を重ねる。
 最後の軽い戯れのつもりが、少年は積極的に口づけを求めてきた。下唇を食み、舌先でなぞられる。さっきまでキスすら未経験だったはずなのに、その初心さはまるでない。彼を指導していたはずの自分が、蕩けさせられていく。
「んっ……んぅっ……はぁっ……」
 口内へと健史の舌が差し込まれてくる。陽平もこれに応えて、相手のと舌を丹念に絡ませていく。吐息がまた互いに乱れ始める。いつしか濃厚ななディープキスとなっていた。昂ぶる少年の衝動が伝わってくる。今宵はまだ、幕を閉じてなどいなかった。
(まだ健史君に……教える事は残っている……)
 少年の下半身は、なおも欲望を漲らせている。子供から大人へと、彼を導くのが自分の使命なのだ。別の誰かに健史の成長を委ねるなど、もはや陽平には耐えられなかった。今夜を逃せば、当分は彼と離れ離れとなってしまう。
「今度は……君がしてみるかい?」
 甘い彼の感触と温かさが残る中で、青年はそう問い掛けていた。
「え……?」
 恍惚の色を浮かべていた健史の表情が、驚きへと変わる。
「俺でもいいなら、君を立派な男にしてあげるよ」
「そ、それって……東さんが……いいんですか……?」
「君にここまでさせといて、俺が頑張らない訳にはいかないだろ?」
 こちらの言葉に、しばし相手は無言となる。だがそれは躊躇いなどではない。陽平を見上げる少年の眼には、力強い光が急速に宿ってきていた。
「入れてみたいです……俺……」
 やがて健史は、そう答えてくる。
 陽平はこれに頷く。少年は喜んでいる。だがそれだけに、陽平の心境は一方で複雑なものとなっていく。結局はかつての自分がそうされた様に、快楽で健史の心を惑わしているだけなのかもしれない。たった二日間の出来事で、少年は塗り替えられてしまったのだ。それでも陽平は、己の中で一度起き始めた昂ぶりを抑える事が出来なかった。
(中岡さんが……俺に、この子を任せたんだ……)
 すでにこちらの身体もまた疼いている。逞しく屹立する健史の存在に、胸が苦しい程に高鳴ってきてしまう。自分が惑わされているのだろうか。あの夜、彼の父親から初めて教えられた背徳と悦楽から、こうなる事は運命だったのかもしれない。
「そのまま寝ていていいから、後は俺に任せて」
 陽平は諭す様に少年へ言い含めると、自らの身体を静かに起こすのだった。


「んっ……あっ……はぁっ……た、高宮さん……」
 聞こえてくる艶やかな喘ぎに、朦朧としていた慎一の意識は、しだいにまた明瞭さを取り戻す。犯されたアナルからは、幼馴染の放った白濁がダラダラと溢れ出ていた。ようやく終わったその圧倒的な刺激と反動から、慎一はまだ地面に倒れ込んでいる。全てが終わり、後は誰もこの身に触れようともしてこない。もはや用はないと、打ち捨てられている気分だ。空虚さに包まれながらも、横になったまま声のする方向へ視線を向ける。
「うぅんっ……んぁっ……やっ……んぁぁっ……」
 同じく地面へと、翔が仰向けに押し倒されていた。そしてそんな少年へと、高宮が覆い被さっている。何も纏わぬ幼馴染の肌を、心ゆくままに男が貪っていた。少年の身体が堪らないとばかりに何度も震え、その強引なる愛撫に敏感な反応を示している。
(さっきまで……翔は、僕を……それなのに……)
 獰猛なる雄と化していた若者が、今は少女の様な喘ぎを発して、高宮にその身を弄ばれていた。あらゆる性感帯に舌や指が這わされ、止めどない感覚に少年は抵抗の術すらない様子となっている。そして脚を広げられ、無防備に曝け出された肛門。まだ何も知らぬその蕾へと、男の中指が深々と埋められている。もはや完全にされるがままだ。
「はぁっ……んんっ……」
 少年の苦悶を滲ませる様相に、体内を弄られた感覚と記憶が蘇る。自分と同じ経緯を翔は辿っていた。だが恐怖に慄くといった悲痛さはない。全身を駆け巡る性感の波に、すでに自分が何をされているのかすら、彼の思考は追いついていないであろう。
「いいぞ、お前のケツもしっかり、ほぐれてきたみたいだな」
 昨夜とは違い、翔に対する妥協はまるでなかった。やがて頃合いとばかりに、今度は人差し指も加えた二本の指が、少年の中へ改めて挿入されていく。
 いつしか慎一は身体を起こし、哀れな幼馴染と勇ましくも巧妙な男の性技を、無言のままその目に焼き付けていた。事の善悪などもはや関係ない。ここにいるのは自分の使命なのだと、そんな気がしてならなかった。
「あぁっ……!」
 やがて甲高い声と共に、翔の体躯が今まで以上に仰け反る。
「ここが一番くるのか?」
 男の指が、いっそう少年の奥を責め立てていた。その光景を見ているこちらもまた、身体が内側から熱く疼いてきてしまう。これから翔に待つ運命を分かっていながらも、慎一は彼の乱れゆく姿に魅入り、己の欲望がまた逞しくそそり立っていく。
「ひっ……やっ……んんぅっ……」
 だが高宮は、一見非道なる仕打ちを与えながらも、決して性急な行動に出る事はなかった。少年の瑞々しい身体をたっぷりと愛で、繊細なアナルを入念にほぐしながら、幼馴染をより深き淫蕩に導いていく。すでに何度も果てた彼のペニスが、また隆々たる姿となっていた。これは大人からの身勝手な陵辱などではない。自分も翔も、男としての成長を促されているのだ。
「へへ、慎一といい今年の新入りは、なかなか教え甲斐のある身体をしてやがる」
 やがて自身の存在を、高宮は褌から露わにさせてきた。黒ずんだその肉茎が、自分達の若々しいそれとは違う風格を漂わせている。外野という事もあるが、慎一は昨日よりも落ち着いて見つめていた。そして猛々しい男の象徴へ、いつしか羨望の眼差しとなっていく。
「さてと、そろそろ準備もよさそうだな」
 改めて男は、翔の脚を大きく開脚させた。そして緩んだ少年の蕾へ、膨隆した亀頭を押し当てる。
 翔は泣きそうな顔となっていた。だがそれでも、高宮に抗う気配はまるでない。完全に諦め切っているのだろうか。それともこの先に待つさらなる背徳を、身体はもう体感せずにはいられなくなっているのか、慎一には分からなかった。
「せっかく男になったばかりで悪いが、今度は女になるんだ、翔」
 そのまま、高宮が腰を沈めていく。
「あっ……」
「力を抜け」
「んぅぅっ……!」
 冷静な面持ちで少年の様子を伺いながら、彼の欲望が柔らかくなった肛門をより拡張させ、その中へと徐々に納められていく。先程の自分と同じであった。初めてを翔に犯され、そしてその幼馴染が今まさに、恋人の父親によって犯されているのだ。
 翔の脚が痙攣する様に震え、筋肉が強く収縮していた。悶える喘ぎを発するも、それは暴力的な激痛に苦しんでいる様子ではない。
「よし、いいぞ、どんどん入っていきやがる」
 幼馴染の忍従を前に、慎一の心は激しく躍る。高宮のペニスを、翔のアナルがしっかりと咥えていく。さらに内壁を広げる様に何度か抽挿がなされながら、ついには根元までその幹が埋められるに至る。
「やっ……んんっ……あぁぁっ……!」
 男の腰遣いが活発になっていく。少年の身体が剛直に慣らされるにつれ、その突き上げもより大胆なものとなる。翔の言葉にもならない声が、ランタンに照らされた小屋の中でより大きく、そして淫靡さを増していく。
 その光景を凝視しながら、慎一は自身の一物を握り締める。だが寸前のところで、己の行おうとしていた衝動を何とか抑え込む。ここで無駄な消耗をしてはならない。慎一は自身に言い聞かせる。翔を犯す高宮の欲望が果てるその時を、少年はひたすらに待ち望むのだった。


「はぁっ……健史君……んっ……」
 ついにその時は来た。
 彼の父親に幾度と犯されたアナルは、まだ女も知らない若々しい肉棒に、その入り口を広げていく。今まさに男の身体を味わい始めた少年を、陽平は愛おしげに見下ろしていた。
「す、すごい……あぁっ……入ってる……」
 健史も感嘆の声を発する。
 仰向けとなる少年へ、陽平は膝立ちの姿勢で腰の上を跨いでいた。そして自分から腰を沈めていき、熱いその幹を咥え込んでいく。これまでにも、この屈辱的な挿入の仕方を陽平は何度も強いられた事があった。だが今までの人間達とは違い、今は心と身体が感動に震えてくる。健史の初体験であり、その人生最初の役目を自分が務めているのだ。
「ほら……俺の中に、君のが全部……これで童貞卒業だね……」
 しっかりと健史の欲望を受け入れた事を確認し、その怒張を括約筋で締め付けていく。この繋がり合えている事実を、少年により実感させたかった。
「東さん……中……堪らないです……」
 健史の吐息がより荒くなっていく。そして陽平の中でも、彼の存在が脈動を強める。
「嬉しいよ……健史君……」
 力強い息吹をその身に感じながら、陽平のペニスもまた高々と天井を仰ぎ、その悦びを相手へ伝えていた。そして頃合いを見計らい、ゆっくりと腰を上下に揺らし始める。結合の中で、さらに少年の男根を慰めていく。だが内部での熱い摩擦が、急速に陽平の欲情をも湧き立てる。もどかしさが衝動を募らせ、いつしか懸命に上下運動を繰り返し、健史からの快感をこちらが求めてしまっていた。
「あっ……あぁっ……」
「んんっ……君のチンポ……すごく元気だ……」
「だめ……俺、もう……東さん……!」
 されるがままだった健史が、切迫した声を上げる。そして自らも、勢いよく腰を突き上げてきた。
 その瞬間、陽平の身体が強く痙攣する。
 少年がさらに何度も、欲望を奥深くへ食い込ませてきた。もはやただ受け身でいる事など出来ない。健史の動きがこちらへそう訴えていた。
「あぁぁっ……!」
 これに陽平は、一気に身悶えさせらる。少年の果てしない欲求が、体内を掻き乱していく。
「気持ちいい……はぁっ……最高です……」
 そして健史もまた、これに陶酔の言葉を洩らす。
 陽平は挿入されたまま、前へ上半身を倒す。
 これに応えて、健史は腰を動かし続けながら、その身を強く抱き締めてきた。
 もはや自分がリードする必要はない。その逞しい剛直で自分を攻め立ててくる健史に、陽平は全てを委ねようと決意した。
 交わりながら、身体を慎重に寝返らせる。相手も意図を察してか、動きの方向に合わせてきてくれた。そして今度は健史の身体が、上から覆い被さる体位となる。
「俺を……このまま、好きなように……犯して……」
 彼の耳元で、静かに囁いた。
「は、はい……」
 もう絶対に離さないとばかりに、健史は身体を密着させたまま、陽平へと腰をリズミカルに動かしてくる。
 これに陽平も、自然と身体が反応してしまう。自分が求めて止まない部位に、少年の亀頭が押し当てられる様に導く。
「健史君……んぅっ……あっ……んんっ……!」
 こちらの喘ぎに、少年の感情もより昂ぶりを見せていた。腰遣いが徐々に激しくなっていく。やはり父親の様な巧妙さには欠けるものの、若き雄の本能と獰猛さが、容赦なく陽平へとぶつけられてくる。もうそこにいるのは、かつての無邪気な少年ではなかった。脳天にまで突き刺される刺激に、これまで経験してきた以上の快感に圧倒されていく。もはや指導していた自分の立場は完全に失われ、健史の欲望に陽平は呑み込まれていた。
「んっ……んぁぁっ……!」
 自分の中で、膨らみきっていた熱い何かが弾ける。全身が激しく震え、頭の中が溶けていく様な感覚に包まれていく。
(俺……今、イッてる……初めての健史君に……)
 血は争えないという意味を、陽平はこれ程までに思い知る事はなかった。彼の父親に犯されながら初めてオーガズムへと達した、あの時とまるで同じ悦楽に自分が溺れさせられていく。おそらくそれは、経験豊富な者達が繰り出すテクニックなどとは別のものなのであろう。幾人もの人間に身体を許してきたからこそ、彼らとは違う少年の純真な想いと渇望が、陽平には極めて新鮮な愉悦をもたらしていた。
「出る……あぁっ……い、イクッ……!」
 その直後、健史もまた欲望を爆発させる。今度は陽平の中へ、大量の精が注ぎ込まれていく。それでもしばらく、健史は我を忘れた様に夢中で腰を振り続けていた。
 やがて息を荒げながら、健史の動きもようやく落ち着きを見せる。
「いっぱい……出たね……健史君……」
「東さん……」
 なおも繋がったまま、二人はしばらく抱き合っていた。
 絶頂の余韻がなおも渦巻く陽平は、名残惜しく健史の肌へと口づけをする。挿入されている彼の一物は、それでも硬い感触を保ち続けていた。こちらがその身を愛でるにつれて、また脈動も大きくなっていく。
(すごい……今、出したばかりなのに……)
 身体を重ねながらそう思っていると、健史の腰がまた動き始める。
「あっ……健史君……」
「ごめんなさい……俺……ま、まだ……このまま……もう一回……」
 自分でもこの興奮をどうする事も出来ない。そんな様相の少年が、改めてこちらの奥を勢いよくペニスで突いてくる。
「んんぅっ……あっ……あぁっ……」
 身体を揺らされながら、陽平もまた妖艶なる喘ぎを発していく。今はただ、健史の欲望をひたすらに受け止める事しか出来なかった。彼から理性を奪ってしまったのは自分なのだ。それでも自らが雄へと目覚めさせた少年に犯され続ける中で、陽平は果てしない快感の渦に翻弄され、貪られる事に悦びを示してしまうのだった。


 褌を締め直して、高宮は身なりを整えていた。
 そこへそれまで傍観者だった少年が、無言のまま進み出る。男が欲望を吐き出し、全てが終わった直後であった。
「どうした、慎一?」
 高宮が問うてくる。
 だが慎一は何も答えない。それでも荒い息遣いと怯みのない眼光が、言葉以上に彼へと強く訴え掛けていた。控えめな性格だった少年が、今や隆々たる一物をまるで隠そうともせず、男の前で屹立させている。
 そんな少年の下半身に目を向けながら、高宮はすぐに相手の意図を理解してきた。
「なるほど。お前だって、男になりたいよな」
 男の言葉に、慎一はしっかりと頷く。
 もはや何も取り繕うとしない少年に、高宮は満足気な笑みを返してきた。
 指導役からの許可が下りた事を、慎一は確信する。そして地面に横たわったままとなっている幼馴染へ、すぐさま視線を移す。
 解放された後も、翔は放心状態となっていた。だが気を失っている様子ではない。虚な瞳が天井に向いていた。この一夜であらゆる経験をその身で学ばされた彼は、今何を思っているのだろうか。
(まだ終わりじゃない……)
 心の中でそう語り掛け、少年は足を進めていく。
「慎一……」
 迫るこちらの尋常ならざる空気は、すぐに幼馴染を我に返すに十分なものであった。それは慎一に対して欲望を暴走させていた、先程の自分を見ているに等しい。
「俺ので中はグチョグチョだ。そのまま構わず、お前のを入れればいい」
「………」
 高宮はただ二人を見守る。
 何も告げずに翔の足を抱き上げ、慎一は半ば強引に開脚させた。
 荒々しいこちらの行動と眼差しに、幼馴染は明らかに怯えた様相となっていく。これまで見た事のない姿として、彼には自分が映っている事であろう。だが翔がこれに抵抗を示す気配はなかった。
 慎一の前に露わとなる肛門は、事後もなお弛緩して不自然に口を開けている。注ぎ込まれた男の精が、ドロリと流れ出す。犯された少年の、あまりに無惨な光景であった。だが慎一はそれを見て、むしろ欲情は最高潮にまで達してしまう。初めての自分に対し、お膳立ては全て完了しているのだ。
「次はこいつの童貞を、お前が立派に卒業させてやれ」
 今から始まる新たな役目を、翔は高宮の言葉によって教えられる。
 慎一は弾けんばかりのペニスで、その標的をしっかりと定めた。もはや邪魔されるものは何もない。
 翔がこちらを見ている。拒絶や許しを乞うといった事は何もしてこない。だがその瞳は、今にも溢れそうな涙に満ちていた。
「僕も……大人になりたい……」
 そんな相手をしっかりと見据え、慎一は呟く様に言う。
 これに翔は何も答えず、ただ静かに瞼を閉じた。
 すでに迷いはない。逸る心は、不思議な冷静さも一方では保たせていた。力強く脈動する己の剛直を、慎一は彼の中へと押し込んでいく。
 すでに蹂躙され尽くした翔のアナルは、呆気ないくらいスムーズに肉壁を掻き分け、その奥へと新たな征服者を迎えるのだった。
「あぁぁっ……!」
 友人が大きく身を捩らせ、慎一の欲望に悶えていく。そのまま彼へと身体を覆い被せる。そしてさらなる快感を求め、翔にされた様に今度は自分が何度も腰を打ち突けていく。
 地面の上で、翔の身体が激しく痙攣し始める。
「翔……はぁっ……翔……!」
「んっ……んぅくっ……あっ……んんぁっ……」
 もはや初体験の感動すら抱く暇もなく、ひたすらに慎一はペニスの抽挿を繰り返す。まさに本能が身体を支配していた。
 そして奥を突き上げるたびに、翔から甲高い喘ぎが発せられる。それが苦しみによる呻きなのか、快感の悦びなのかも定かではない。
 そして繋がり合う少年達の姿は、高宮をも目が離せない様子にさせていた。
「へへ、自分から腰を振ってやがる。慎一と相性は抜群みたいだな」
 されるがままだった翔が、いつしかすがる様に、こちらを強く抱き締めていた。恥骨と臀部のぶつかる音がより大きくなっていく。
「うぅっ……んっ……あぁっ……!」
 弓形に幼馴染が身体を反らす。感極まったとばかりに、肉体はビクンッと何度も震えていた。そして親友に犯されながら、強烈な性感の中で彼のペニスもまた見る見る怒張していく。
「このまま……僕……翔……!」
 慎一は叫んだ。いっそう腰遣いを加速させていく。そして込み上がる欲望はついにその出口を見つけ、全てを噴出させるのだった。
 だが翔の中で迸るその直後、少年の背中へと急に荷重が掛けられる。
 友人と身体を重ねるこちらの上に、さらに高宮が身を乗り出してきていた。
「情けねぇこった。年甲斐もなく、お前らにここまで発情するなんてな」
 慎一の耳元でそう囁くと、また露わにさせた男根で、少年の肛門を押し広げていく。
「んんぁっ……」
 さっき果てたはずのそれは、すでに硬さを取り戻していた。翔に挿入したままの慎一は、同時に自分も新たなペニスによって内部を犯されていく。
「今夜は祭りの無礼講だ。とことん、楽しむしかねぇよな?」
 高宮は腰を動かし、若さに頼るだけではない刺激を少年に教え込んでいく。もはや指導役の立場を超えて、自身もその悦楽に没頭していた。
「あっ……あっ……んんっ……!」
「だ、だめ……慎一の……チンポ……俺、もう……あぁっ……おかしくなる……!」
 もはや正気でなどいられない。慎一のアナルを男が突き攻めるたびに、一番下にいる翔には二人分の重圧が加わって、奥の前立腺により食い込んでいく。幼馴染の泣き叫ぶ声は、きっと小屋の外にまで響いている事であろう。
(僕だって……もう、どうにかなりそうだ……)
 だが例えそうであったとしても、翔と一緒であれば慎一に悔いはなかった。これ程の快楽を知って、自分達に後戻りなど出来るはずがない。
 山林に埋もれ朽ちていく小屋の中、少年達の耽溺はいつまでも続くのだった。

COPYRIGHT © 2023-2024 アロエ. ALL RIGHTS RESERVED.